COALTAR OF THE DEEPERS presents 「Entropy 08」 @ LIQUIDROOM ebisu
COALTAR OF THE DEEPERS 主催のイベントに行ってきました。
出演は COALTAR OF THE DEEPERS 、 lostage 、 OGRE YOU ASSHOLE 、 MASS OF THE FERMENTING DREGS の4組。何故彼らがここにきてロキノン寄りの若手バンド勢にアプローチしてるのかは分かりませんが、去年の 「Yukari Telepath」 ツアーには私用で行けなかったのでそのリベンジというのと、こないだの新譜で気に入ったマスドレも参加してるし、とにもかくにも気になる存在が集まってるということで。
会場のリキッドルームはなんかオシャレなカフェと併設されてて過ごしやすそうな空間ですわね。キャパは1000くらい?そんなにないか?思ったより小さかった。男女比は半々で若い人ばっかり、入りはおよそ7割。個人的にはもうちょいキツキツくらいの方がテンション上がるんですけど (深い意味はない) 、まー落ち着いて見るぶんには良いか。そんでは出演順に感想などを。
MASS OF THE FERMENTING DREGS
オンタイムでスタート。サポートに男ドラマーを加えてのスリーピース編成で、そのドラムがステージ向かって左、ギターが右に位置して互いに向き合い、その中央少し奥にベースヴォーカルが立つという変わったフォーメーション。幕の向こうから 「せーの!」 で一気に轟音を放ち、そのまま1曲目 「delusionalism」 へ。新曲を挟みつつ新譜からは 「エンドロール」 以外全部演りましたね。高いテンションで演奏に没頭、ほとんど曲間もなく次々と曲を叩きつけ、 MC は軽く一言二言くらいで余計なことはしない。ソリッドにザラついた音を激しく掻き鳴らし、ヴォーカルも身体を捩って腹から声を出す、その様は初期衝動に満ちた音源以上の迫力がひしひしと感じられました。 「ハイライト」 「I F A SURFER」 のような性急な曲だと特にその勢いが強調されてて良かった。変な甘さヌルさみたいなのも無かったし、これからが一層楽しみになりましたね。30分を一気に駆け抜けて終了。
OGRE YOU ASSHOLE
去年 「アルファベータ vs. ラムダ」 をさらりと聴いてたくらい。改めて聴いてみるとこのバンドはリズム隊が良いなと思いました。ファンクやディスコ的なビートを刻みつつ、しなやかながらしっかり地に足のついたダンスグルーヴを生み出していて自然と身体が揺れる。何処となく昭和ノスタルジックなメロディ感覚も味があって馴染みやすいし。 「コインランドリー」 はやっぱり素朴に良い曲だ。地味と言えば地味だし微妙に取っ付きにくい感じではあるんですけど、肩の力が抜けてて飄々としたイメージもあったりして、このバンドらしい個性は十分出てると思う。これもなかなか好印象でありました。
lostage
完全に初聴き。奈良のバンドなんですね。のっけからバッキバキに歪んだベースをカマしてきて、男らしく土臭いハードロックサウンドを展開。バリバリと唸る荒々しさや激しく突き刺さる鋭さでアグレッシブに迫り、何処か燻し銀の硬派な魅力がありました。途中サイケデリックの幻惑に移行する場面もあったりと、70年代辺りの古き良きロックサウンドを今風にアップデートした感じでしょうか (70年代辺りの古き良きロックサウンドをほとんど聴いたことない人間が申しております) 。そんでこのバンドの場合は遅い曲の方が気に入りました。思い切りダルなスピードにシフトする場面が度々あり、そこではジワリジワリとこちらを睨みつけるような緊張感に満ちてて格好良かった。途中でベースにトラブルが起こったりしましたが、そうなったら 「音が出ないものはどうやっても出ない」 と割り切ってベース捨ててヴォーカルに専念という。その潔さもある意味男らしい (笑) 。これも良かった。
COALTAR OF THE DEEPERS
見るのは2005年のボロフェスタ以来か。ナカヤマアキラ (Plastic Tree) や村井研次郎 (元 cali≠gari 、sex MACHINEGUNS) といったメンツを引き連れた6人編成。 「SERIAL TEAR」 で重厚かつ呪術的なへヴィネスを叩きつけ、その後も 「Water Bird」 「Hedorian Forever」 等々新曲ばかりで固めたセットリスト。 「Automation Structures」 「Aquarian Age」 といった打ち込み主体の曲もライブではメタリックな演奏の方が前に来ており、結構印象変わって聴こえました。しかし最近の曲って音はシャープなメタルサウンドだけど、3拍子だったり複雑な構成だったりして素直にはノりにくいですね…。そもそも 「Yukari Telepath」 ってディーパーズの中でもある意味一番マニアックな所突いてるアルバムだし、なおかつルックスはどう見ても厳ついオッサンへヴィメタルバンドだしで、結果主催のバンドがイベント内で一番浮いてるという (俺が) 楽しい状況に。相変わらずカテゴライズしにくいバンドというか、彼らの異形さが良くも悪くも浮き彫りになってた気がしました。あと本編ラストの 「Amethyst」 だけ古い曲だけど何だかえらくキャッチーでノりやすい曲に聴こえたわよ。んでアンコールは 「Wipeout」 「913」 とヘヴィチューン連発で終了。
そんな感じで色々と発見もあり、総合的にはどのバンドもなかなか良かったです。各々これからもチェックはしておこうかなと。ちなみにディーパーズは6月にイベント第2弾として ART-SCHOOL と対バンするそうで、彼らは多分そこでも浮くでしょう (笑) 。好きには変わりないんですけどもね。