toe vs world’s end girlfriend & poltergeist ensemble @ 渋谷O-WEST


今年2回目の東京遠征に行ってきました。日本のポストロック/エレクトロニカバンドどうしの2マン。


俺にとって初の渋谷です。分かっちゃいたけど大阪以上の人の多さに辟易通り越して戦慄。しかも皆派手に着飾ったある意味刹那的な若者だらけですわね…。会場の O-WEST はラブホ街のど真ん中でしたけど割と迷わず行けました。キャパ500〜600くらいの中規模サイズで、チケットはソールドアウト。客層は思いのほか野郎率が高いのはどういうことなんでしょうか…。 7:3 くらいで男が勝ってた気がする (しかも文系メガネ男子だらけ) 。こういうポストロック系って女子の方がウットリできる要素は高いはずなのに。なのに!多分 toe ファンが多いんだということにしとく。ほら toe のメンバーって昔はパンク/ハードコア畑だったし。うん。


ほぼ開演定刻に客電が消え、先行は予想に反して toe 。昨年のフジロック以来なんですけど、その時はゲスト招いてスペシャルな試みもあったのにあまり音が響いてこなくて (あと周りの客とのテンションが合わなくて) ノり切れず残念な部分があったんですが、今回その辺は気にならなくて良かったです。まずは美濃氏と山嵜氏が出てきて軽くアコギを合わせ、次第に他のメンバーが加わり 「繋がる遥か彼方」 でスタート。過去作それぞれからバランス良く選曲されたセットリストでした。 「グッドバイ」 以外はインストですけど相変わらずどのパートもよく歌うというか、実に表情豊かな演奏でじっくり聴かせてくれる。穏やかにアルペジオを奏でる場面はもちろん、感情剥き出しで激しくギターをかき鳴らしてる時でも透明なリリカルさが滲み出ており、躍動のテンションを保ちながら静と動の起伏をごく自然に行き来する。そんな彼らの持つ魅力を再確認できました。あとどうでもいいけど山嵜氏の MC はいつも下ネタばっかなんでしょか。


そして後攻は weg 。この日は大所帯バックバンドを従えた生演奏主体、さらに VJ も加わった特別ヴァージョンでお届けです。メンバー全員ノーブルな正装で登場。以前大阪で見たときは本人とドラマーのみの2人編成で打ち込みメインだったんですけど、やはり weg の曲は生演奏の方が映えますね。ヴァイオリンとチェロの優雅な音色やサックスの太く力強い響き、これらが加わってこそ彼の曲は本領を発揮するものだと思う。それと rokapenis の VJ も良い味出してました。森の中や夕焼け空、公園の風景などノスタルジックな映像が白黒の中でアブストラクトに重なり合い、浮かび上がっては消えていく。それがゴス/ダークな奇形の童話のような世界観を演出していて、曲調と絶妙にフィットして強くイマジネーションを刺激されました。


それで曲の方は 「birthday resistance / 誕生日抵抗日」 「100 years of choke / 百年の窒息」 と続き、もしや 「Hurtbreak Wonderland」 完全再現なのかしら…と思ってたら、途中何故かえらくベタなパブロックみたいな展開に突入したり、アヴァンギャルドなノイズを発しつつ思い切りテンポ崩壊したりして、一体何処に向かうんだコレと思ってたら、いつの間にか 「Scorpius Circus」 へ。以前ネット上でライブ映像を見て、是非生でも見たいと思ってた曲だったので嬉しかった。大きく弧を描くようなワルツのリズムに揺られつつ獰猛とも言えるほど迫力ある音の渦に圧倒され、そんな嵐の過ぎ去った後は 「We are the massacre」 でシメ。優しく包容力のある曲調なのにスクリーンにはあの闇雲に陰惨な PV が垂れ流し。綺麗なだけでは終わらせない歪なところも weg ならではといった感じで。細かい部分ではアンサンブルの呼吸が噛み合ってないと思う所もあったけど (特にドラム) 、全体的には十分満足でした。


こんな感じで、どちらも自分の持ち味を十分に発揮したパフォーマンスでありました。 weg はこの形態でのライブはこれが最初で最後なのかなと思ってたら、同様のメンツで夏フェスにも出演するみたいですね。機会ある方は見てみては。それとどちらも今現在のスタイルは完全に確立できてると思うので、次は何かしら新しいアプローチを見せてほしい。そういう欲求/期待も生まれてきたのでした。特に toe はそろそろ新譜が欲しいのですけどね。


あやふやなセットリスト↓


toe:

1. 繋がる遥か彼方
2. 1/21
3. グッドバイ
4. New Sentimentality
5. 孤独の発明
6. tremolo+delay
7. むこう岸が視る夢
8. leave word
9. I dance alone
10. i do still wrong
11. past and language
12. path


world’s end girlfriend & poltergeist ensemble:
1. birthday resistance / 誕生日抵抗日
2. 100 years of choke / 百年の窒息
3. you
4. Scorpius Circus
5. We are the massacre