JUNO REACTOR 「GODS & MONSTERS」

Gods & Monsters

Gods & Monsters

ロンドン出身、 Ben Watkins を中心とする多国籍ユニットの新作。初めて聴きました。


ジャンル的にはトランステクノの領域のようですが、決して安直なパラパラに走ってるわけではありません。弾力性のあるビートに太く這うベース、大味なビープシンセといったトランス特有のエッセンスを踏まえつつ、パーカッションやホーン等の生楽器を効果的にまぶし、なおかつ全体にダブ処理を施してサイケデリックな浮遊感+緊張感も混ぜ込んで、スペーシーな奥深さ/スケールの大きさを感じさせる内容になってます。個人的には 「UMBRA」 「PHOTON」 の頃の BOOM BOOM SATELLITES に近い雰囲気を感じるのと、レゲエ風の柔らかく胡散臭いヴォーカル等からうっすら滲み出る土着っぽさ、あとジャケの奇妙なアニメ画も相まって 「攻殻機動隊」 とかのサイバーでアジアンゴシックな世界観を想起してみたり。しかし空間的な構築を重視するあまりグルーヴの面が弱い気がして、散々煽られてるのに盛り上がり切らないまま終わるという生殺しパターンが多いのが残念なんですが、中毒性のある面白い音であるとは思います。高速4つ打ちがトランスの必須であるならこれはあまりトランスとは言えないけれど、全体から発せられるムードは限りなくトランシーという。


Rating: 6.8/10
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