THE NOTWIST 「THE DEVIL, YOU+ME」
- アーティスト: Notwist
- 出版社/メーカー: City Slang
- 発売日: 2008/06/02
- メディア: CD
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耳馴染みの良いインディロックと冷たく神経質な IDM 系エレクトロニカを巧みに融合させ、なおかつメランコリックで感傷的なムードを全体にジワリと染み込ませた、ちょうど 「Hail to the Thief」 の頃の Radiohead をモロに想起させる音です。ヴォーカルの柔らかい声質も何処となく Thom Yorke に似てるし。でも 「HTTT」 よりも全体の流れに分かりやすい起伏がついてて、真っ当なポップさがある感じ。不穏なストリングスが緊張感を煽る 「Where in This World」 等のダークな曲と、徐々に視界が開けて光が差し込むような 「Gloomy Planets」 等の比較的明るいタッチの曲が交互に顔を出し、それがまるで躁と鬱の感情を不安定に行き来してるような、ある意味人間らしい業の深さを表現してるようでついつい惹きこまれる。本家レディへに勝るとも劣らないリリカルな憂鬱、心の隙間にスルリと入り込む甘い毒のような心地良さは十分に感じられます。逆に言えば聴いてる間はどうしてもレディへの影が脳裏によぎるのですけどもね。でも決して単なるフォロワーには留まらない魅力があると思います。