SUMMER SONIC 08 OSAKA 1日目


行ってきました。もはや自分の中で恒例行事と化してるサマソニ。これで4回目です。


昨年に引き続いて舞洲会場だったわけですけど、もうね、頼んでもないほどに超快晴だったわけですよ。なんかもう地球はダメなんじゃないか?と思わず心配してしまうほどの殺人的暑さ。まさに飛んで火に入る夏の虫でした俺は。おそらく日焼け止めもほとんど意味を成してないと思う。まるで日陰のない SKY STAGE とかはもちろんの事、人が密集してる上に道がアスファルトで舗装されてるオアシススペースなんか余計最悪で、つーか身体休める場所が一番暑くてどうすんだ!バカか!でも今年は昨年の経験を生かしてということで、シャトルバス乗り場の場所が変わったりステージ前方に人工芝をセットしたりして、まだ快適になってる方でした。それでも大きいステージの強風による音の悪さはやっぱりねえ…これはさすがにどうにもならないのか。もう野外に拘らず素直にインテックスに戻ろうよ!とか言っちゃダメですか何故ですか。


でもライブはそれなりに楽しんできましたよ。以下にズラズラ感想。


THE WOMBATS @ OCEAN STAGE
聴くのも見るのも初めて。リバプール出身のスリーピース。ニューウェーブ風のジャキジャキしたギターサウンドに味付けでシンセを交えたりしつつ、メロディに気を配って伝統的ギターロックにも寄ってる感じですかね。コーラスのハーモニーがポップで聴きやすく、それなりにロックらしい勢いも感じられました。良くも悪くも正統派なスタイルでさほど強烈な個性とかはなかったけど、昼一発目にはちょうど良かったかなと思います。いくつか頭に残りやすいフレーズもあったと思うんですけど、炎天下の中で見てたからか正直あんまり覚えてない (えー) 。ちゃんと音源聴いてみたいなと思いました。


VAMPIRE WEEKEND @ OCEAN STAGE
こないだのデビュー作が良い感じだったから見てみました。でも出てきたときにメンバーのキッチュな服装見て嫌な予感がしたんですけど、演奏始まってその予感が的中。牧歌的なメロディを添えた US インディロックなわけですが、何なんだろうこのスカしまくった雰囲気…。演奏は思ったよりもヘロヘロじゃなかったし、リズム隊のアフロビートによる躍動感というのも確かにありました。その上で 「斜に構えたポップセンス」 とか 「あえて微妙に外してみせる高度なオシャレセンス」 とかそういうのを狙ってるのかもしれませんけど、それがただただスノッブ臭くて嫌味な印象しか感じられず、悪い意味でのインテリっぽさが曲の良さを上回ってしまってた。特に素っ頓狂なハイトーンで歌うヴォーカルとか、見てるだけで無駄にムカついてくるってのもある意味凄いっつーか何つーか。数曲で退散。


CRYSTAL CASTLES @ DANCE STAGE
HEALTH とコラボしてるということで、その1曲だけ知ってました。詳細不明のエレクトロユニット。青い覆面被ったマニピュレーターとドラマーが黙々と演奏し、そのフロントをゴスメイクの女性ヴォーカルが務めるという、予想に反してえらく毒々しい出で立ち。粘りの効いた4つ打ちによるディスコグルーヴをガンガンに叩き込み、ヴォーカルは ATR の Hanin Elias を彷彿とさせるヒステリックな高音で激しくアジテーション。素敵なビッチだわ…。客の中まで突入するわ鉄骨よじ登るわのやりたい放題っぷりが実に痛快で面白かった。上モノもチープとクールの中間を行く感じでグルーヴにマッチし、アドレナリンを強く分泌させられた。ただえらく短かったのが残念でしたね。持ち時間40分くらいあったはずだけど30分に満たない程度しか演ってなくて、パフォーマンスに集中してたのもあって余計短く感じた。でも短期集中型でテンションが落ちないうちに締めるというのもアリと言えばアリか。曲自体は非常に格好良かったです。今回の収穫その1。


DOES IT OFFEND YOU, YEAH? @ DANCE STAGE
名前だけ知ってました。イギリス出身の4人組。エレクトロパンクバンドというか、大味なビープシンセとソリッドな生演奏を掛け合わせたサウンド。なので個人的にも好きになれそうな音楽性なんですけど、メンバーのテンションの高さや出音の切れ味に反して楽曲の作りはどれも半煮え状態。どういう風に展開して、どういうグルーヴでノらせたいのかがイマイチ明確に見えてこなくて、威勢の良さが何だか空回りしてばかりの張りぼてみたいに感じた。ひたすらデカい音でエンジンふかしてるけど実際はまるでスピードの出ないオンボロ車みたいな。周りもノってるのかノれてないのか微妙な挙動してる人が多かったように思う。これも途中退出。


SUPER FURRY ANIMALS @ SONIC STAGE
前から気になってたけどようやく聴きました。ウェールズ出身の5人組。この時点で正直疲れてたので後半ほとんど寝てしまいましたが (えー) 、曲はなかなか良い感じだったように思います。オルタナティブなバンドサウンドの中にサイケデリックな質感や電子音など実験的なアレンジを組み込みつつ、中心にはスウィートなメロディをしっかり立てて惹き込むという。堅実に演奏をこなしてる感じで素直に見れました。三銃士のごとくギターを頭上でクロスさせるパフォーマンスも見れたし。良かったかな。


SKINDRED @ PARK STAGE
タイムテーブル見て若干嫌な予感はしてたけど、やっぱり人少ないなあ…。この時間帯だと他のステージのトリに流れてしまう人が多いからか、フロアの半分も埋まってなかったと思う (公式ホムペの写真は撮るの上手すぎ) 。でも演奏自体はとても良かったです。 「ROOTS ROCK RIOT」 でガツンと始まり、 「RAT RACE」 「DESTROY THE DANCEFLOOR」 など新譜を中心としたセット。ヘヴィロックの剛直さとレゲエのしなやかさが融合したサウンドはライブでも十分有効で、必然的にモッシュは苛烈なことに。ヴォーカルの人がドレッド×マッチョ×直角肩パットというなかなか強烈なルックスで、コミカルな MC 挟みつつロックヒーロー然とした振舞いでビシビシ煽るという。やっぱりそういうのがあるとこちらも燃えますよね。テンポ良くコールアンドレスポンスしたりサークルピット作らせたり、ライブでの盛り上げ方を熟知してる感じで貫録すらあった。逆境の中でも十分健闘してたと思う。今回の収穫その2。


DEVO @ SKY STAGE
名前だけ知ってました。 POLYSICS の元ネタであるところのディーヴォ。途中から参加。ちょうどポストパンクとテクノポップが合わさったような、いかにも70〜80年代といった音楽性で最初はどうも取っ付きが悪く、ノスタルジーや思い入れの無い人間にはやっぱりキツいか…と思ったけど、どっかの校長先生みたいなオジサン5人が赤い渦巻き帽子と鮮やかな黄色のツナギ着て横一列に並んでる様は何だか壮観だし、それがロボットみたいにカクカク踊ったりポンポン振ったり白髪の七三クシャクシャにしてモヒカン状に立てたり被り物してスーパーボール撒き散らしたりしてるのを見てるとあれ何か楽しくなってきたぜ?しかも最後の方では意外に骨太なリズム隊が勢い良く疾走するなど、単純にロック的で格好良い一面も見せたりして。幾つになってもニューウェーブ精神は健在だぜといったある種のポリシーを持ってる感じで良かったです。ハヤシが飛び入りとかしたらもっと良かったのに。


FATBOY SLIM @ SKY STAGE
俺知ってる! M-1 の芸人登場時に流れるあの一瞬だけ知ってる!なので (?) 見てみました。バックには巨大なスクリーンが吊るされ、演奏前に流れる 「Toe Jam」 の映像 【これ】 で和む。そうしてるうちに Norman Cook 登場でスタート。今回は DJ セット、ということでいいのかしら。ボトムの効いた4つ打ちをひたすらに投入といった感じで、鉄板で盛り上がれるのは確かなんですけど、ノーマンは機材を細かく弄ったり手放しで煽ったりするのみで、安直に4つ打ちに頼りすぎてる気もする。豚の餌のごとく4つ打ちをドサドサ流し込んで、それに喜んで群がる家畜のような俺達、的な。そういう図式が不意に頭に浮かんできてだんだん途中で萎えてきた。これなら2年前の Daft Punk の方がずっと面白いことやってたよな…。でも途中で The Arcade Fire 「No Cars Go」 が流れたのにはビビった。俺は分からなかったんですけど他にも大ネタ連発だったようで、その辺は良かったかな。そこそこに楽しんで終了。


初日は以上です。 SKY STAGE から坂を降りる途中で花火が上がり、偶然にも抜群のロケーションで少し感慨に浸ったりしたのでした。明日に続く。