WRENCH 「drub」

drub

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昨年の 「nitro」 から1年待たずにリリースされた新作。


他アーティストとのコラボ3曲、リミックス3曲、オリジナル4曲が混ぜこぜになってるという、もう何アルバムなのかも分からない変則的な構成。ミクスチャー原理に則って音楽ジャンルどころかバンド形式の枠まで外してしまったという。しかしもともとラウドロックとテクノ/エレクトロニカの融合を持ち味としてるバンドなのでさほど違和感はなく、どの曲も肉感的な即効性を重視してるという点では同じ方向を向いてます。その作用が特に強いと感じたのが 「fill more (feel more/123BPM ver.) -AYASHIGE REMIX-」 。原曲をズタズタにしてシャープな4つ打ちに乗っけてるわけですが、中盤頃からグルーヴが一層強さを増して身体を奥底から揺さぶられる、非常に格好良いリミックスです。他は浅野忠信のクールに覚醒を促すヴォーカルが印象的な 「drift」 、冷徹なインダストリアル・ダブと化した 「recovered -GOTH-TRAD remix-」 辺りが良い感じ。アグレッシブな演奏がライブ時のテンションまでは届いてない気もするのですが、バンドのフレキシブルな姿勢が存分に発揮された面白いアルバムだと思います。


Rating: 7.6/10
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