AKIMBO 「JERSEY SHORES」

Jersey Shores

Jersey Shores

シアトル出身の3人組による6作目。初めて聴きました。


千切れかけた身体をズルズルと引き摺ってるような、ひたすら重苦しいヘヴィグルーヴで貫かれたグランジ/ハードコア。ポストロック的な構成で静と動の対比を強調した作風なのですが、ひたすらダルな演奏なのに緊張感が一瞬たりとも途切れないのが異様。ヴォーカルは力なくメロディをなぞってると思いきや狂気的なシャウトを発したり、時には砂塵を上げて突っ走るような正統派ロックンロール的ドライブ感を見せたり。でも刹那的な激情をドラマチックに叫ぶのでは決してなく、まるで目の前で起こってる惨劇を淡々と描写してるような冷徹さ。音の迫力を叩きつけるのではなく、迫力を保ったままの音が失禁状態で垂れ流しになってるというか。そういうルーズな辺りストーナーの恍惚にも通じる所があって、聴いてるだけでこっちもだんだんトリップ感で頭が麻痺してきそう。頭とケツに挿入されてる牧歌的な波の音も薄ら寒い無常感しか残さないし、12分超のタイトル曲とかほとんど嫌がらせに近いです。非常に敷居が高くて取っつき辛い内容なのですけども、インパクトだけは間違いなくズバ抜けてますね。いやー久々にひどいの聴いた。


Rating: 7.2/10
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