the pineapple thief 「TIGHTLY UNWOUND」

Tightly Unwound

Tightly Unwound

英国出身の4人組による7作目。初めて聴きました。


オルタナティブな荒々しさのバンド演奏と耳に優しく馴染むアコギ/キーボード、繊細でリリカルな寂寥に満ちたメロディ、それらが絶妙なバランスで一つに溶け合い、緩やかに幽玄な広がりを見せるサウンドプログレという前情報を聞いてたのですがそこまで変拍子バリバリだったり難解といったわけではなく、 「The Bends」 期の Radiohead がより壮大なスケール感を持ったような、密度の濃さを保ちつつ素直に音に浸らせることを重視した作り。肩の力を抜きながらも楽曲の持つムードや一定の緊張感は決して損なわない、自らの音世界を構築することにとても真摯な印象を受けました。まるで朝靄の中でぼやける地平線を眺めてるような、穏やかで幻想的だけど地に足のついた力強さも兼ね備えた感覚。そして後半に差しかかるとその密度がさらに増加し、 「Different World」 「Too Much to Lose」 といった長尺曲ではまさに1曲の中に一つの世界が収まってしまってるような作り込みで圧倒されます。静パートの比率が多く、盛り上がりのピークをなかなか見せないのが良くも悪くもプログレ的という感じではありますが、時間的/心情的に余裕のある時に聴いてドップリ浸りたい一枚。


Rating: 7.8/10
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