殻 「五月蠅」

五月蠅 (さばえ)

五月蠅 (さばえ)

acid android のギタリスト、渡辺清美を中心とする5人組の 「0作目」 。


聴く前は勝手にポストロック/シューゲイザー的なバンドなのかと思ってたんですが、確かにそういう面もあるにはあるけど、それよりはオルタナティブ要素の方が強かったです。端正で澄んだ女性ヴォーカルと意外に素直で聴きやすいメロディを中心に立て、耽美なダークネスを全体に纏ったゴシック・オルタナ・ポップ。どの曲もミドルテンポで密度の濃い闇をジワリジワリと侵食させていくように、ディープで重苦しいサウンドを展開しています。後半ではメタル的な切れ味のヘヴィネスを見せる 「羨望の灰」 、ジャポネスク風の湿っぽい切なさを漂わせる 「zero」 など、一切手を緩めず闇はますます濃くなるばかり。こないだの睡蓮にも若干通じる所が感じられる、質/量ともに重厚で聴き応えのある内容になってます。でもこれ何で1トラックに6曲も入ってるんでしょうかね。 「頭出しせず全て通して聴いてほしい」 という意図なのだとしたらちょっと押しつけがましい。そこで無駄に敷居を高くしてるのが残念なんですが、割と俗っぽく取っつきやすい部分もあったりするので、その辺を上手く活かすとさらに化けるかも。


Rating: 6.8/10
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