SLY MONGOOSE 「MYSTIC DADDY」
- アーティスト: SLY MONGOOSE,Takkyu Ishino
- 出版社/メーカー: tearbridge
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: CD
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前作はラテン系の陽気な高揚感やハウス/トランスのアッパーなグルーヴなどを混ぜ込んだ、開放的な人力ダンスミュージックだったと記憶してるのですが、今回はガラリと作風を変えてジャズの都会的で冷たい質感、アンビエントなムードの中で緩やかに繰り広げられる変拍子、パーカッションの音色が醸す胡散臭いエキゾチシズム、そういった要素を前面に押し出したアブストラクトなスタイル。チルアウト的な心地良さを漂わせつつ不穏な緊張感は常に一本通されており、微睡みと覚醒を行き来するミステリアスな空気が徐々に脳内を浸食してきます。プログレ/マスロック由来の妖刀のような攻撃性で迫る 「Mandragora」 、石野卓球ヴォーカル参加で変態っぽさに拍車のかかる 「Jinxxx」 、そこから何故かほんわかフォーク調に急転直下の 「Young Love」 、この辺の中盤は特に、前作のダンス路線を期待する人間をガンガン篩にかける怪曲のオンパレード。俺も最初聴いた時は 「なんで？」 と疑問符だらけだったのですけど、何回か聴くとこれはこれで妙な中毒性があってアリな気もする。取っつきは悪いですが実験性/遊び心の詰め込まれた面白い内容かと。
