MASTODON 「CRACK THE SKYE」

Crack the Skye

Crack the Skye

アトランタ出身の4人組による、2年半ぶり4作目。


以前のバーバリックな獣性溢れる爆裂ヘヴィロックンロールからは随分と様変わりし、プログレッシブな構築性を重視した、知的な統制のとれた内容になってます。もちろんメタルバンドとしての肉体性は一定以上保たれてはいますが、獰猛なシャウトよりも妖しいメロディをなぞる場面の多いヴォーカルや、ラウドとクリーンを巧みに使い分けるギターワークを見ても、以前の一点突破的なアグレッションで畳み掛ける作風と比べるとだいぶ違って聴こえる。確かに最初はその変わり様に戸惑いましたが、何回か聴くうちにだんだん自分の中でしっくり納まってきた。テクニカルな演奏を繰り広げて徐々に場面を移り変わらせる、先の読めない展開が以前とは別のスリルを孕んでるとも言えますし、耳にガツガツ迫るヘヴィネスと纏まりの良さを両立したバランスが心地良く響き、時にはアコギやキーボードも挿入するアレンジの凝り方もあって、 「The Czar」 「The Last Baron」 のような10分超の長尺曲でもしっかり引き込んで聴かせる磁場を生み出してる。密度の濃さという点では相変わらずの魅力を放つ、挑戦的で聴き応えのある内容だと思います。


Rating: 7.8/10
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