Deerhunter & Akron/Family Japan Tour 2009 @ 十三ファンダンゴ


6月9日はロックの日なので、何はともあれライブに行かねばなりません (えー) 。昨年の 「Microcastle/Weird Era Cont.」 が個人的大ヒットだった US インディロックバンド Deerhunter と、同じく US 出身 Akron/Family の2組によるカップリングツアー、その大阪編に行ってきました。


電車代をケチって家からチャリンコ漕ぐこと20分。風俗/ラブホ/ホストクラブのギラギラしたネオンが立ち並ぶ十三でこういうアート系のロック見に行くっつーのは不可思議な情緒がありますにゃー。つーか会場周辺で普通にメンバー皆たむろしてたんだけど、ホント十三に似合わないこと。会場のファンダンゴは満員御礼。キャパ200〜300の小バコとはいえ、何処にこんだけのインディロックファンが潜んでたのかと少し驚く。あと男ばっかりなのにも驚く。もっと老若男女バランス良く集まるかと思ってたんだけどね…。


定刻少々過ぎた頃に、先行は Deerhunter からスタート。空間系エフェクトを駆使し、荒々しくも甘美なギターノイズを目一杯に広げるシューゲイザーサウンド。バンマスの Bradford Cox はマルファン症候群という病に罹ってるらしく、こっちが心配になるくらい細くてヒョロヒョロ。それが視点の定まらない表情で淡々とギターを弄り、時には顔をしかめて歌い、その歌もエコーとなって演奏の中に溶け込むという。正直カリスマ性という面ではまだ弱く、ライブの進行も単調で、何か余裕こいてダラダラ演ってるという印象の方が強かったんですけど、その鳴らす音の深さ/甘さが単純に心地良かったのも確かです。 「Nothing Ever Happened」 「Microcastle」 「Agoraphobia」 など好きな曲も聴けたので満足かなと。特に 「Nothing Ever Happened」 の後半、トランシーな疾走感を見せる場面は特に陶酔度も高くて良かったです。あとはもう少し引き締まった緊迫感みたいなのも欲しい所だけど、まだ若手のバンドだしこれからに期待って感じですかね。


後攻は Akron/Family 。フリークフォーク系のバンドという前情報しか知らず、曲は初聴き。トライバルな躍動感、フォーク/カントリーの朗らかさと郷愁、60〜70年代風のロック感にサイケデリックなムード、さらにニューウェーブ風シンセまでスパイス的に加えた、実験性とエンターテインメント性をバランス良く兼ね備えたサウンドでした。暖かみのあるハーモニーを聴かせつつコールアンドレスポンスも随所に挟んで、持ち時間全体を使ってダンサブルなリズムの熱を徐々に上げていき、一番の沸点ではフロアの後方まで漏れなく盛り上がり、客がステージに雪崩れ込むほどの大騒ぎに。音楽性が違うので単純比較するのもアレですけど、ライブアクトとしては確実にこちらの方が上でしたね。メンバー3人それぞれがヴォーカルを執り、場面によってシンセや打楽器など担当楽器をチェンジするフレキシブルな編成が見た目的にも面白いし、聴かせるだけじゃなく見せることを意識してるというのが大きい。初見の人間でも惹き込む大らかさや人懐っこさ、多面的な魅力があってなかなか楽しめました。


こんな感じで約3時間のライブは終了。音源は良かったとしてもライブはどうなるか、特にこういうインディロック系統はスノッブ的な悪い意味でのインテリオーラが気がかりだったんですが、まー2組ともまるで気にならないわけではなかったですけど、それよりも楽曲やパフォーマンスの魅力がまだ上回ってたので良かったです。キツいバンドは本当にキツいんだろうけどねー。その辺も追々確かめれば良いかなってことで。


他所から拝借したセットリスト↓


Deerhunter:

1. Intro
2. Cryptograms
3. Never Stops
4. Dr. Glass
5. Hazel St.
6. Nothing Ever Happened
7. Microcastle
8. Vox Celeste
9. Octet
10. Spring Hall Convert
11. Circulation
12. Cover Me (Slowly)
13. Agoraphobia


Akron/Family:

1. Meek Warrior
2. River
3. Gravelly Mountains of The Moon
4. Lake Song/New Ceremonial Music For Moms
5. Ed Is A Portal
6. Everyone Is Guilty
7. MBF
8. Woody Guthrie's America
(アンコール)
9. Phenomena
10. Crickets