FUJI ROCK FESTIVAL '09 1日目
行ってきたぞオラー!今年で三年連続、三回目のフジ参戦。三日連続の初日です。
雨。
いやもーひどいモンでしたよ。もちろん今までにも雨に見舞われたことはありましたけど、苗場に着いた瞬間から最後までずーっと雨というのは初めてでした。昨年も結構雨が身に応えたので雨対策/防寒対策はそれなりにしてきたつもりでしたが、ここまで完璧に雨だと精神的にキツくなってきますな。地面が泥塗れで普通に歩くことすらままならず、基本的に屋根などないので食うもの飲むものがことごとく雨トッピング。野外の開放感を味わえることもなく、ライブで気を紛らわすしかないっていうかね。そんな状態なもんでいかに無駄な体力使わずスマートに夜まで凌ぐか、そんなことばっかに意識が向いたまま幸先の良いスタートでございます。
GUITAR WOLF @ WHITE STAGE
とにかく少しでも自分内の景気を良くするために勢いのあるやつ見たい、つーことでギターウルフ。一回くらいは見てみたいと長年思ってましたがようやく見れた。もうイメージそのまますぎて笑ってしまう。革ジャン革ズボンにサングラス、ビール一気飲みから 「フジロックベイベー!」 で幕開け。もうギャンギャンドカドカ喧しくて、下手な上にあんまりまともに演奏してないけどマイクスタンド蹴っ飛ばしたり、とりあえず勢いはある。 「環七フィーバー」 とか 「ジェットジェネレーション」 とかアホでも分かる爆音ロッケンロールの猛打。ギターウルフが格好良いのは太陽が東から昇るくらい当たり前のこと。前の方に詰め寄ってキャッキャしました。満足。
WHITE LIES @ GREEN STAGE
見たいものなかったのでとりあえずグリーンに来てみた。イギリスの4人組。 Joy Division に似てるという噂を聞いてたんですけど、そこまで根暗な印象は受けなかった。むしろメロディが渋くもスケール感のある広がり方で、グリーンの大きさにも似合ってると思いました。タイトな演奏も安定感があるし、真っ当に聴ける良質ギターロックといいますか。でもまーそこまでのめり込むほど衝撃的なわけでもなく、まあまあのライン。そしてこの土砂降りの状況で 「まあまあ」 だとそれは 「ダメ」 ってことでして、早くも足がお疲れのオイラは後方の芝生でしゃがみ込んで、雨に打たれながらボケーっとステージを見てたら寒いしだんだん眠くなってきて、なんか俺このまま雨と一緒に流されて消えてしまうんじゃないかとか思って、寸での所でいかんと我に返ることに成功しました。よくやった!
M83 @ RED MARQUEE
時間帯が MAJOR LAZER と被ってたので結構悩んでたんですが、ちょっと屋内に入って落ち着きたいと思いマーキーへ。この日は中心人物 Anthony Gonzalez に加え、ドラマーと女性ヴォーカル (予想に反してムチムチグラマー系) を従えたトリオ編成。中央にセッティングされたドラムセットの周りを透明なガラス板 (?) が囲み、その左右に互いが向きあう形でシンセ類が置かれ、左にアンソニー、右に女性ヴォーカルがスタンバイ。このシンメトリーな配置がシンプルかつスタイリッシュで思わず見入ってしまう。俺は去年の 「Saturdays=Youth」 しか聴いておらず、それを聴いた限りでは80年代ポップスにエレクトロシューゲイザーを組み込んだノスタルジックな作風というイメージでしたが、ライブではもちろんそういった懐古的側面もありつつ、むしろ現代的で洗練されてるといった印象の方が強かったです。 「We Own The Sky」 「Kim & Jessie」 といった歌モノでは儚く繊細な歌声を聴かせつつ、インスト曲では4つ打ちでダンサブルな躍動を強く打ち出す場面も多く、甘美なシューゲイザーノイズと相まって大きな音のうねりを生み出し、トランシーな恍惚を最大限まで膨張させる圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。もっと内向きで地味な感じかと思ってただけに予想外のインパクト。この日一番の収穫でありました。
Chara @ WHITE STAGE
ミーハーなのでチャラさん見たいっす、と思ってたらチャラ目当てのホワイト行き集団と Lily Allen 目当てのグリーン行き集団が橋の上で完全にカチ合って超渋滞。結構時間に余裕あったはずなのに何だかんだでギリギリに到着。本人オレンジのドレスで登場。おおやはりイメージそのままのチャラだ…。エキセントリックというか不思議ちゃんというか、そういう類のフリーな MC で女子から 「かわいー」 コール頻発。やっぱ女性に人気あるのだろうな。実生活で真似しても確実に 「何あの子?天然?」 とか白い目で見られるんだろうけど (笑) 。初っ端がいきなり 「やさしい気持ち」 でおおっとなり、その後も 「Junior Sweet」 「月と甘い涙」 と聴いたことある曲連発の初心者向けセットリストで嬉しい。でも 「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」 はさわりだけという意地悪もされたり。そういやオールナイトフジでは浅野忠信も出てるし (中止になったけど) 相変わらず仲良いのかなーとか思ってたら、翌日には突然二人の離婚が発表されたのでした…ってマジ?
オルケスタ・デ・ラ・ルス @ ORANGE COURT
オレンジに着いて愕然。何なんだこの地面というか、沼?おそらくフジのステージの中で最もグチャグチャの泥塗れ状態で、普通に歩くだけでズブリと沈み、思いっきり足を取られてしまうほどの泥濘っぷり。これではしゃげというのはなかなか無理がありますぜ…。それでもしょうがないから頑張って見ましたよ。結成25年を迎えるという大所帯バンド。ホーンセクションとパーカッションが華やかなアンサンブルを響かせ、男女ツインヴォーカルがヒラヒラ踊りながらセクシーかつダイナミックに歌い上げるという。でもあまり性急なビートで煽ったりということはせず、さながらみんなのサルサ歌謡ビッグショウみたいな趣。 「燃えよドラゴン」 のテーマ曲や Gypsy Kings のカヴァーも演ったり、年代性別を問わず誰でも楽しめるワールドミュージックですね。フジ初登場というのが不思議なくらいフジっぽい。この頃は雨も若干弱まってたので、俺ものほほんと楽しみながら見てました。あと 「日本サルサ化計画」 というのを提唱してるみたいですが、それは 「日本をサルサに!しーてしまえ!」 ということでよろしいでしょうか。
GONG @ ORANGE COURT
イギリス出身のプログレ大御所とのことですが、すいません俺は全く知りませんでした。サックスやフルートも含む7〜8人編成で全員爺ちゃん婆ちゃん。失礼ながら見てるこっちが若干不安になるのですが、ヴォーカルの爺ちゃんは祈祷師のような格好で現れ、何かを諭すように歌い時には声を大きく荒げたり。おお元気だなー。それで音の方は緩やかに大きな広がりを見せるシンセと管楽器の音色が重なってミステリアスなムードを醸し、それがバックのスクリーンに映る、巨大な目玉のような映像と合わさってサイケデリックな浮遊感を醸し出すという。しかしベースとなる所謂ロックバンドの部分は先の読めない展開を見せるもののやはり肉体性には欠け、そのためかサイケさが真っ当にシリアスな説得力というのではなく、B級的な奇妙な味の世界に転じてると思ったのは俺だけですかね。本チャンのプログレバンドのライブというのがどんなものか興味があったんですが、うむーまだ俺に経験値が足りないというか、このバンドならではの良さというのは確実にあるはずだけど、それを十分に掴み切れないまま終わってしまった、そんな感じでした。また雨降るし。
SYSTEM 7 @ ORANGE COURT
まだあと2日残ってるしもう帰ろうかとも思ったけど、それだと何か負けた気がするから意地で見た。さっきのゴングのメンバーによるテクノユニットということですが、何故こんな音があのサイケ/プログレッシブから派生するのかよく分からん。疑いの余地も無いほどにトランスです。クールでアシッドでスペーシー!縦ノリ以外は一切許さじ!何度も次元ワープを繰り返す火の鳥宇宙旅行スペクタクル、的な。無機質な映像と合わせて高速4つ打ちをガンガン叩き込み、熱の膨張と開放を行き来してひたすらにアドレナリンを分泌させる60分ノンストップのガチンコ勝負。あまりに単純明快でこれなら俺でも分かる。もう雨とか泥とか関係なくヤケクソで盛り上がりました。4つ打ちは人を無心にさせますね。
以上、ドロドロに疲れた初日でした。明日に続く。