May’n 「Styles」 / シェリル・ノーム starring May’n 「ユニバーサル・バニー」

Styles(初回限定盤)(DVD付)

Styles(初回限定盤)(DVD付)

フルアルバムとしては初の作品。鷺巣詩郎プロデュース。


俺もご多分に漏れず、昨年の 「マクロスF」 サントラで初めてその歌声を聴いたわけですが、今作でもその声の魅力は変わらず目一杯に発揮されています。朗々と気持ちの良い伸びを見せ、パワフルな芯の強さと艶やかなセクシーさ、何処かヒロイックな勇壮さすらも感じさせる歌声。楽曲の主役を担うのに十分な華やかさ、力強さを持ち合わせていると思います。曲自体はポップスとして比較的オーソドックスな作りではありますが、派手な装飾とキャッチーな抑揚のついたメロディがそのヴォーカルを素直に引き立てており、聴き応えはバッチリ。良い意味で売れ線と言うか、真っ当な J-POP の在り方という印象を受けますね。そんで後半に入るとハードロック風味のアレンジが多くなるんですが、そうなると妙に90年代っぽさが増してくる気がするのは俺だけでしょうか。 「h@e me? h@e you!」 や 「パラノイア」 なんかは歌詞の俗っぽさも相まって、ちょうどビーイング系バブル期のロック寄りシンガーとイメージが直結する。この辺は各人の好みによりけりといった所ですが (個人的にはちと苦手な部分もある) 、総じて彼女の魅力を十分味わえる内容になってると思います。


Rating: 7.6/10



ユニバーサル・バニー

ユニバーサル・バニー

そしてこちらはシェリル・ノーム名義では初となるミニアルバム。菅野よう子プロデュース。


上の 「Styles」 と同時発売ということで当然そちらと比較してしまうわけですが、うむーさすが菅野先生と言うべきか、やはりこちらの方が色んな意味で濃ゆい。昨年の 「娘フロ。」 「娘トラ☆」 でも見せていたド派手&濃厚なアニソンナンバーの応酬。劇画調のヒロイズム (と健康的ハレンチなアイドル性) を増強してスケール感を広げ、アレンジ/曲展開の緻密さや多彩なアプローチと相まって、より大きな起伏で引き込むドラマチックな世界観を提示しています。スリリングなスピード感で駆け抜ける 「ユニバーサル・バニー」 「オベリスク」 (どちらもリズム隊の格好良さといったら!) 、何処となくエキゾなエロさの漂う R&B ポップ 「pink monsoon」 、振付つけて歌えば確実にネットで流行る痛快アッパー曲 「ギラギラサマー(^ω^)ノ」 、プログレ的深遠さも感じるオーケストラルハードロック 「イゾラド」 「永遠」 、人肌の温もりで包み込むような穏やかさの 「会えないとき」 、徐々に光が差し込むような幻想ムードが素敵な 「天使になっちゃった」 、以上8曲全てが明確な個性を持ったキラーチューン。36分のボリュームもこの濃さならちょうど良い。 J-POP の正義はアニソンにこそ宿る。


Rating: 8.4/10


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