Yeah Yeah Yeahs Japan Tour @ 心斎橋CLUB QUATTRO


今年初のライブでございます。単独の来日としては今回が約6年ぶりとなるヤーヤーヤーズ。その大阪公演に行ってきました。音源は一通り聴いてきたものの、ライブ見るのは今回が初めてです。



心斎橋クアトロはキャパ600〜700くらいだと思うんですが、チケットはめでたく完売&満員御礼。客層はほとんど10〜20代の若者で、男女比は半々ですかね。当然ガイジンの方も多め。女子は皆なかなか気合入ってるっつーか、ロック的なキツめの装いされてる方が多い。マッシュルーム・ボブ (で良いのか?) の髪型してる人もやたら多く、やはり女子にとっての Karen O ってファッション面も含めてカリスマチックな影響力を持ってるのかなーとか思ったり。


10分ほど押した所で場内暗転し、メンバー登場。この日はメンバー3人に、サポートのシンセ/ギターを加えた4人編成。楽器隊は黒スーツでタイトにキメたスタイルですが、ヴォーカルの Karen は観客のさらに斜め上を行くエキセントリックでド派手な出で立ち。顔には煌びやかなラメメイクを施して、衣装はギラギラ輝く七色のコートだったり、鋲打ちまくりのハードな革ジャンだったり、果てはインディアンのような大きな羽飾りを被ったりと、ただでさえ派手なのにワンステージの中で何度も衣装をチェンジ。彼女は単純にヴォーカリストとしても、セクシーで艶のある声とドスの効いたダミ声を使い分け、バンドの中で明確な個性を発揮しておるわけですが、ルックス的にも華があって見てる側を飽きさせない。バンドのフロントマンとしてこういうのは重要なファクターですよね。ビッチでワイルド、時にキュートでもある紅一点ならではの痛快なロックアイコンっぷり。でもそれが嫌味だったりベタなものには陥らない、スタイリッシュで堂に入った格好良さがある。これが他のガレージ/ロックンロールバンドには無い、ヤーヤーヤーズならではのカラーというわけですね。


そして今回気になっていたのがセットリストの組み立て方。昨年の新作 「It's Blitz!」 はシンセを大幅に導入し、それまでのガレージロック路線からエレクトロ方面へ大胆にシフトした実験作でしたが、それらを過去の楽曲とどういう風に繋ぎ合わせるのか。テクノとパンク、下手したらどっちつかずの散漫な内容になりかねないよなーと思っていたんですけども、実際に始まってみるとほとんど違和感は感じなかったです。シンセの使用はあってもあまりテクノテクノした印象はなく、ライブではあくまでもギター/ドラムの生音のダイナミズムの方が優先。エレクトロ要素がバンドの振り幅の一部として十分に消化されていました。幕開けを飾った 「Dull Life」 、すでに彼らの新しいアンセムとなったであろう 「Zero」 「Heads Will Roll」 、感傷と躍動が緩やかに交錯する 「Soft Shock」 など、いずれもセットリストが縦ノリの攻め一辺倒にはならないヴァラエティを構成し、全体の流れを豊かに、スムーズにしていたと思います。


もちろん以前のガレージ曲が破壊力抜群なのは言わずもがな。今回初めて彼らのライブ見て痛感したけど、やはり 「Fever To Tell」 の楽曲はライブで体感して初めて真価を発揮するものですね。 「Black Tongue」 や 「Pin」 、そして何と言ってもアンコールラストで放たれた必殺曲 「Date With The Night」 。ベースレスのシンプルな編成ながら刺々しさはまるで損なわれていない、その勢いには否応なしに身体を突き上げられる。音源で聴いた時は若干日和ったかなーと思っていた 「Show Your Bones」 の曲も、メロディのポップさが演奏のテンションの高さで引き立ち、その楽曲の魅力を再確認させられたほど。このバンドは単なる勢いだけではなくメロディメイカーとしても優秀なんですよね。アコースティックに様変わりした 「Maps」 では合唱も起きていたし、その辺の窓口の広さもこのバンドの大きな魅力の一つなのだなと。


クールに爆音を撒き散らす演奏陣とは対照的に、 Karen 嬢はステージを端から端まで煽り、何度も水を口に含んでは豪快に吹き出し、実に楽しそうな笑顔でクルクル飛び跳ねる。けれど余計な MC は挟まずにテンポの良い進行で、冒頭から最後まで一切テンションを落とさず、集中力を切らせない。アンコール含めて正味70分程度の短い内容でしたが、そのぶん密度の濃さは十分。紙吹雪の特効がボンボン吹き出すというまた派手な演出もありつつ、短期戦で一気に駆け抜ける彼ららしい充実のパフォーマンスでありました。ひょっとしたら夏フェスにも来るのかな?その時にもまた見に行ってるかもしれません。非常に楽しゅうございました。


他所から拝借したセットリスト↓
1. Dull Life
2. Rockers To Swallow
3. Down Boy
4. Black Tongue
5. Pin
6. Zero
7. Turn Into
8. Skeletons
9. Soft Shock
10. Gold Lion
11. Heads Will Roll
12. Cheated Hearts
(アンコール)
13. Maps
14. Y Control
15. Date With The Night