The Knife in Collaboration with Mt. Sims and Planningtorock 「Tomorrow, In a Year」

Tomorrow in a Year

Tomorrow in a Year

スウェーデン出身の2人組による、コラボ形態をとっての約4年ぶり4作目。


今回は 「種の起源」 を題材としたオペラ用のサントラ盤とのこと。その周辺情報がよく分かりませんが、とりあえず彼ら自身にとっても特殊な位置づけの作品ということで、今までのニューウェーブサウンドを期待してると確実に裏切られます。まず2枚組の前半。トライバルな禍々しさを醸すパーカッション以外はほぼ全編ビートレスとなり、前作 「Silent Shout」 に通底していたダンスグルーヴは皆無。また上モノは以前のようなチープさを残したシンセ音がグッと減り、代わりに窓の外で荒れ狂う嵐のような前衛ノイズ成分増量。その中でゲストの女性オペラ歌唱が凛々しく高らかに響くという、ひたすら緊張感/不安感を煽って嫌な汗をかかせる悪意の塊のような楽曲群。リアルサバトです。しかし後半では従来の彼ららしい個性が出た 「Colouring of Pigeons」 「The Height of Summer」 、また不意を突いてミニマルな4つ打ちハウスがシャープに響く 「Seeds」 など、振り幅が広くなったぶん若干取っつきやすい印象…つっても五十歩百歩か。コレ聴いた後だと昨年の Fever Ray ですら十分エンターテインメントに感じるほど、聴き通すにはかなり忍耐力の要る玄人向けな内容です。


Rating: 6.2/10
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