jónsi 「go」

Go

Go

Sigur Rós のヴォーカリストによる、ソロ名義では初の作品。


華やぐ音。ソロ形態ということで作曲のプロセスは違うのかもしれませんが、結果として完成した楽曲は Sigur Rós のイメージとそう変わることはありません。しかし昨年の Jónsi & Alex がアブストラクトな浮遊感のみを抽出し、アンビエントに徹し切った 「静」 サイドの作品だったのに対し、今作はちょうど Sigur Rós 本隊における 「残響」 前半部の方向性をさらに突き詰めた 「動」 サイド。クラシカル/アコースティックな管弦楽器とパーカッションの力強い響きをフィーチャーしたヨンシー流オーケストラル・バロック・ポップであります。まるでカーテンを開けたら一気に差し込む朝日のように、あまりにもカラフルな音の群れが辺り一面に溢れ、弾け、踊る。明確なポップネスを持った高潔なメロディ、勇壮ですらあるリズムの躍動感、そしてパノラマ的に広がるアレンジの圧倒的な華やかさ、それらが従来から彼の持つファンタジックな祝祭ムードをよりパワフルなものに押し上げています。9曲40分と比較的コンパクトに収まってるのもなお好印象。個人的にはこういうのを待っていたんだ!という感じで、その音世界に完全に魅了されております。悔しいくらいに完璧なひとつの幻想。


Rating: 9.0/10
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