毛皮のマリーズ 「毛皮のマリーズ」

毛皮のマリーズ

毛皮のマリーズ

メジャーデビュー作となる1年ぶりの新作。初めて聴きました。


ロックをロックとして鳴らす。最初はもっとガレージパンクのような音かと思ったのですが、実際の音はむしろ60年代以前の様々なジャンルに分化する前の、ルーツとしてのロックンロールに忠実なサウンドだと思いました。ぶっきらぼうで挑発的なヴォーカルはグラムな色気を感じさせつつ、随分とレイドバックした牧歌的な演奏で、シンプルなアンサンブルにハモンドオルガンブルースハープ、ホーンセクションといったルーツロックのマナーを踏襲。そこには愛着や憧憬と同時に批評的でニヒリスティックな面があり、ヴィジュアルも含めて非常に確信犯的。時にはトリビュートにも参加していた THE YELLOW MONKEY 、あるいは 「めまい」 サイドのゆらゆら帝国なんかの遺伝子も感じさせたり。この音が果たして今の時代にどれだけ有効なのかは分からないし、ちょっと老成しすぎじゃないかなという気も若干しますが、個性としては面白い存在だと思います。個人的には 「ボニーとクライドは今夜も夢中」 「BABYDOLL」 、また 「すてきなモリー」 といった弾けてるタイプの曲調の方が (彼ら的には異色かもしれませんが) グッとくる感じでしたね。とりあえず、目指す方向性にブレがないのは確か。


Rating: 7.0/10
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