RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO 1日目


毎年通っていた SUMMER SONIC が今年はメンツ的に微妙すぎたのでパス。その代わりと言ってはなんですが、今回初めてライジングサンに参加することにしました。



もうね、快適だったんすわ。


飛行機で神戸から新千歳空港に向かうこと約3時間、そこからシャトルバスで会場に向かうこと約1時間半。この間ガン寝してたらあっという間。そこに待っていたのは思わず全力疾走したくなるほどの広大な平野。さすが北海道は土地が広い!空も広い!着いて早々なんだこの開放感…!開催前日に台風が接近しててどうなる事かと思いましたが、この日も翌日も奇跡的に晴れ、結果的に全く雨合羽使わなかったというのもあり、ほとんど不便さを感じることがありませんでした。敢えて言えばその台風のため場所によっては地面が泥んこ田んぼ状態になってたのと、その田んぼを改善するために土やら藁やらを敷き詰めてたせいか、会場中に牛糞のスメルが漂ってる (笑) くらいでしたが、まーフジの過酷さに比べればそれはそれ、って感じで。早めに到着して会場内を探索してたんですが、どのステージも近くにメシがあり酒があり芝生や椅子があり、まー居心地良いのな。完全にロケーションの勝利。俺は北海道に移住したい。


そんな感じでタイムテーブル眺めながらブラブラしつつ、色々見てきたのでその感想を。まず初日。


チャットモンチー @ EARTH TENT
意外に今回がライジング初参戦というチャット。見るのは3年前のサマソニ以来か。彼女達に関しては新作を聴くたびに落胆させられていたので今回もほとんど期待してなかったんですが、じゃあなんで見るんだよと言われると、まだ頭のどこかで望みをかけてる部分があるから…。ライブは 「世界が終わる夜に」 から緩やかにスタート。すでに散々大舞台の場数を踏んできたからか、かなり演奏に安定感が出ていましたね。 「Last Love Letter」 「シャングリラ」 「風吹けば恋」 といったシングル曲もハイライト的な盛り上がりを見せていたし、もうトップバンドとして聴かせられる余裕のようなものも感じられました。でも MC に入ると相変わらずのユルさなんだけどな…。なんか話聞いてるだけで背中がむず痒くなるというか妙にハラハラしてしまうから (ちゃんとオチつくのか?とか) 頼むからさっさと曲入ってくれ!っていう。まーこれがチャットらしさだと言えば確かにそうかもですけど。あと新曲 「ここだけの話」 も披露。ほんわかムードがありつつ捻ったリズム展開が面白い佳曲だと思いました。


MASS OF THE FERMENTING DREGS @ EARTH TENT
GREEN OASISandymori とどっち見るか迷ったけど、次のホルモンを確実に見たいという邪な理由によりマスドレへ。彼女達もこないだの新譜が微妙な出来だったんでどうかなーと思ったんだけど、やっぱりライブは良いんですよ。おなじみ菜津子嬢の 「せーのぉ!!」 絶叫&爆音でスタートし、鋭く気合の入ったオルタナサウンドをかき鳴らす。 「I F A SURFER」 をサウンドチェックでしか演らなかったのはなんでだよと思いましたが (苦笑) 、キラーチューン 「かくいうもの」 や 「ハイライト」 はガッツリ身体に響くし、 「青い、濃い、橙色の日」 なんかは前のライブで聴けなかったから嬉しい。新譜の曲もセットリストの中に組み込むと決して違和感はなく、特に寂寥が流れるミドル曲 「ONE DAY」 は改めて良い曲だなと思いました。前のフジの時もそうだったけど、なんで俺はマスドレ見るたびに泣きそうになってんだろう。気持ち悪くてゴメン。このライブの勢いを CD にパッケージしてくれれば文句ないんですが、それが難しいんだろうなあ…。とりあえず生身の彼女達はまだまだ衰えてないはず。


マキシマムザホルモン @ EARTH TENT
はい案の定すげえ人。まるで場内に入りきらず外にも人が溢れておる。だって空港にいる時点でホルモンTシャツ&タオルの着用率がちょっと凄かったもん…。ナヲの妊娠/出産により一時活動を中止していた彼ら。個人的に見るのは2年ぶりなんですが、ぶっちゃけ何も変わってませんでした。定番のキラー曲に定番の挨拶、定番のシメ。この 「定番」 というのが絶対的な強みでもありマンネリのネックでもあるんだよなー、とかぼんやり考えたのはライブ終わってホテル帰った後。ライブ最中はキャッキャするので必死ですよもう。客多すぎる上に後ろの方まで全力で揉みくちゃだわ、まともに音聴こえないどころかまともにステージ見れないわ、それでも暴れたり叫んだりするので途中吐きそうになるわ。総括するととても楽しかったです。そろそろ新作出そうぜ。


聖飢魔II @ SUN STAGE
今回のライジング出演者で最もウケたのが彼ら。復活したんだ!?てかライジング!?という。発表された時点で絶対見ると心に誓ったものでした。とは言ったものの正直なところ彼らに関してはまるで思い入れがなく、曲も有名所しか知らないので大丈夫かなーという少しの不安もありつつ。


実際の本編ですが、彼らの揺るぎない個性を思う存分に見せつけられました。まずは楽器隊4人が御存じの通り KISS を思わせる化粧にゴテゴテしたメタルアーマーで登場、その後黒子が大きな棺をステージに運び、演奏のキメと同時に棺が開かれ、蘇ったのはデーモン小暮閣下。この時点で完全にノックアウトされました。演出の方はこの他にも、風の SE をバックに語りに入ったり、松明持って火吹きしたりと黒ミサの名に相応しくサバトらしい演出が満載でしたが、楽曲の方はブラックブラックせず比較的オーソドックスな HR/HM 。高度な技術に裏打ちされたタイトにも程ある演奏で客を煽る煽る。ギター2人の速弾き対決など演奏面の見どころも各所に挟んだり、メロディもシンガロングしやすい作りでグイグイ惹き込む。このガチ演出によるガチ演奏。自らのスタイルを一切薄めることなく1時間の中に濃縮した悪魔達のヘヴィメタル・エンターテインメントはこの上なく強烈でした。これは間違いなくサンステージのスケールで見ないと意味がない。


そしてデーモン小暮閣下。俺は今日ほど彼に心酔した日はないです。歌舞伎役者のような立ち振る舞いでセリフを決め、要所要所にボケを交えながら彼らの世界への窓口の広さとなる、この悪魔教教祖としてのキャラ作りに1ミリのブレも見当たらない。相撲ネタはあったけど彼の優しさからか賭博ネタはなかったな。あと明日出演の BEAT CRUSADERS より先におまんコールやっちゃって (まんこは悪魔の実!) 、ビークルは多分ネタにするだろうなと思ってたら案の定的中した (笑) 。筋肉少女帯における大槻ケンヂと同系統、もしかしたらそれ以上の饒舌家か。一切の隙を見せないロックショウ完成品の凄味。もう大満足です。本日のベストアクト。


スチャダラパー @ SUN STAGE
本日のトリ。でも彼らにもやはり思い入れとかは特になく、そもそも俺ヒップホップ苦手なので始まる前は期待と不安半々みたいな心持ち (今日そんなんばっかだな) 。以前サマソニにて電気グルーヴとのコラボユニットとして見たことはあるんですが、本チャンのライブは初めてです。


始まる前はスクリーンに過去20年の間に発表してきたアルバムのジャケ写が走馬灯のごとく…。そして本編も長いキャリアの中から満遍なくピックアップされたセットリストだったようです。 BOSE と ANI の軽快なラップに加え、 SHINCO の作るトラックは一打一打のビートが身体に響くファンキーなグルーヴが痛快で、予想以上に入り込みやすくノリやすい。そしてゲストの多いこと多いこと。ロボ宙TOKYO No.1 SOUL SET 、小暮晋也 (HICKSVILLE) 、ハナレグミ電気グルーヴ、さらには前日に飛び入り決定したという七尾旅人砂原良徳まで。特に電気とまりんの共演はファンにとっては罪作りだったでしょう。まりんホウキ持ってエアギターしてただけだけど (笑) 。ひょっとしたら小沢健二も出るかも?と思ったけどそれはナシ。 「今夜はブギーバック」 はハナレグミが歌ってました。よりソウルフルで感情的。場面によってはゲスト交えてダンスしたり、随所にコールアンドレスポンスも挟み、彼らも彼ら流のヒップホップ・エンターテインメントを展開していました。この大団円な感じもメインステージのトリに相応しい空気感でしたね。ラストは 「サマージャム'95」 で爽やかに終了。満足のアクトでした。



本日はこれにて終了。ホルモンの時点で全身汗びっしょり、身体の節々をギシギシ痛めて大丈夫か?と思いつつ、明日に続きます。