RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO 2日目 (前半)


昨日に続いてエゾロック2日目。エゾのヘッドライナーは朝日!ということでこの日はオールナイトで朝までブッ通し。長くなるので2回に分けます。その前半。



朝の時点ですでに身体がバッキバキに痛い…。始まる前はペース配分考えるとか言いながら、その場が楽しかったらそれだけ何も考えずにはしゃいじゃうからなー。札幌市内のホテルからシャトルバスに乗り、11時半頃には会場へ。この日もキレイに快晴でした。大阪ほどじゃないけどやっぱり日差しがあると暑いなー。早々にビールを補給してステージへ。昨日はステージ2つしか行かなかったから今日はもっとグルグル廻りたいと思う所存でスタートです。


グループ魂 @ EARTH TENT
典型的ミーハーとして永ちゃんでも良かったんだけど、その場の気分だよなもう。クドカン率いるグループ魂。俺は港カヲルのキャラが好きすぎてねえ…。この日もたくさん笑わせてもらった。無駄に派手な衣装を何度もチェンジし (しかも異様に早い) 、手マンとかクンニとか小学生レベルの下ネタ叫んでメタボリックな身体を機敏に動かす彼の雄姿は尊敬に値する!でも曲は大したことないんで途中で飽きて出た。 「君にジュースを買ってあげる♡」 とか聴けたからいいです。


DE DE MOUSE @ MOON CIRCUS
前にフジで見た時はほとんど良い印象を抱けなかったデデ。だけどあの後音源聴き返すと、何だかんだで良い曲は多いんだよな。分かりやすいロマンチックな切なさとコシのあるバウンシーなビート。それと Ustream でライブ見た時はキメ曲だけを詰め込んだ濃縮セットリストでダレることなく楽しめたので、今回はいけるはず…とか思ってたら甘かったな。ライブだとツインドラム従えてるけど、一番音がデカいのは結局打ち込みのビートなのであんまり意義が感じられないんだが。あと時間帯が悪かったのか客の入りはあまり良くなく、そのせいなのかデデ本人あんまりやる気が感じられない。とりあえず音出して煽っとけばいーか的な。 MC も最悪。フェスの名前間違えるのはねーだろ。頭2曲で萎えちゃって途中退出。


山下達郎 @ SUN STAGE
昨日の聖飢魔IIに続く衝撃。野外ライブはこれが29年ぶりらしい達郎さん。やはりミーハーなので曲全く知らないけど見た。テレビなどの露出を一切しない人なので実際に動く姿を見ること自体が初めて。俺的には 「クリスマス・イブ」 のイメージが強いんだけど、クリーントーンの軽快なカッティングを鳴らしつつ洗練されたシティポップを朗々と歌うのは確かに夏の野外にも合いますね。でも…正直言うとあんまりピンとこなかった。もちろん本人はベテランらしい安定感とパワフルさもあったし、70〜80年代風のソウル、ファンクなどを咀嚼した音楽性の高さも何となく分かる。 J-POP の大御所たる風格は感じられたんだけど、それ以前に曲があんまり頭に入らなくて…。彼の音楽って本当に、思い入れとかの補正抜きで若い人の感性に合ってるんだろうか。その辺の感覚がよく分からなかった。個人的な好みの問題だと言われれば返す言葉もございませんが。途中退出。


LÄ-PPISCH @ EARTH TENT
急遽予定変更してアーステントに戻ってきた。相変わらず知識不足なものでこれが初聴きとなるレピッシュ。会場に着くとほぼ同時にメンバーが登場。この日は5人編成での出演でした。


もうね、惚れてしまった。格好良すぎて。さすがベテラン、百戦錬磨のライブバンド。スカパンクをベースとした音楽性だけど、ほんのり80年代ニューウェーブというか、ビートロック的な成分もそこかしこに感じられる縦ノリサウンド。そのせいか外タレのようにカラッと乾きすぎない、ドメスティックな湿り気があるように感じるんですね。それが彼らならではの個性か。ヴォーカル MAGUMI は40代らしからぬスポーティな挙動でブンブン煽り、跳ね、歌い、叫ぶ。そして MC も粋な男らしさで格好良いんだよなー。 「まだ伝説のバンドじゃない。敢えて言えば、伝統のあるバンド。でも今日のライブでは、伝説を作ろうか」 「メンバーは一人欠けちゃったけど、 (上田) 現ちゃんも今日は来てるから」 そうか、今日お盆だしねえ…。門外漢の俺でも何だかグッときてしまう名セリフの応酬。またやさぐれた刺々しさのある杉本恭一のギターや、ダンサブルでグルーヴィ、かつ一点突破的に加速するビートの強靭さも最高にクール。中盤のミドルパートではニューウェーブ由来のムーディな妖しさも交えたりと、多面的な彼らの魅力を十分に伝えていたと思います。


そしてハイライトは MAGUMI のダイブ!観客は正直さほど多くなかったのだけど、ダイブした彼の下に客が集まって海が生まれ、本当に人の上を何処までもサーフしていくという乱痴気騒ぎに。多分フロアの真ん中くらいまでは泳いでた (笑) 。そこからはもう場内完全に沸点に達し、踊る阿呆に見る阿呆といった勢いで大盛り上がり。いやーこりゃ楽しい。彼らのエネルギーを直に、フルに体感できた、満足のアクトでありました。


PLASTICS @ MOON CIRCUS
この頃から日が暮れ始め、彼らのリハが終わる頃にはすっかり夜に。70〜80年代にかけて活動した国産テクノポップのオリジネイター的存在。しかし彼らって一般的にはあんまりレジェンドとして認識されてないのかしら。さっきのデデ以上に過疎ってるんだが…。しばらくして過疎状態のまま本編スタート。この日はオリジナルメンバーの中西俊夫立花ハジメに加え、屋敷豪太佐久間正英、そして女性ヴォーカルとシンセが二人。全員が一昔前のロボットのようなアーマーや派手なドレスを着てたり、それらが曲に合わせてカクカク珍妙な振付をするという、バンドと言うよりニューウェーブ演劇集団みたいな出で立ち。楽曲も電子音を用いてはいるものの、ダンスグルーヴとか音響性、尖鋭性のようなものはなく、ひたすらピコピコとチープな音が散りばめられたテクノポップサウンド。ある意味これぞ70年代!という感じ。


それでねえ、ニューウェーブバンドの運命なのか知らんけど、ライブがもうショボいの (苦笑) 。もともと音がチープなのもあるけど、センターに立つ中西俊夫はあんまりやる気のなさそうなパフォーマンスだし、他のメンバーも演奏トチるわ機材がトラブるわ、すげえグダグダ。こんなん普通のバンドならさっさと見切りつけて移動してるところだけど、何故だか最後まで見てしまった。やっぱこの手のサウンドに対する愛着、憧憬、あるいは新鮮味みたいなのがあったからかな。70年代の当時はもちろん、今の時代においても異端の存在として有効なのかなとは思う。進化も退化もせず、モノリスのようにただそこにある、それこそがニューウェーブ。なんちて。


そして後半に続く。