Blonde Redhead 「Penny Sparkle」

Penny Sparkle

Penny Sparkle

ニューヨーク出身、日本人ヴォーカルを擁する3人組の8作目。


音楽性の大枠は前作と同じ。バンドサウンドとエレクトロニクスが交錯してシューゲイザーにも肉薄する浮遊感を醸すなか、透明感ある女性ヴォーカルが翳りのあるメロディをたおやかに歌い、繊細でミステリアスな音世界を展開する、といったもの。しかし今回は空間系サウンドの滲んだ輪郭と、エレクトリックなリズムや歪んだシンセのくっきりした輪郭が混在し、そのコントラストが立体的な奥行きをさらに増しているように感じました。比較的長尺の 「Love or Poison」 などは特にそのドープな深みが印象的で、彼らの本来の魅力がハッキリ打ち出されてるのではないかと。しかしながら曲調はゆったりメロウな路線で固められ、それが半分過ぎた辺りから冗長になってくる気もする。1曲ごとの深さは増したけれど幅は狭まったような印象で、できれば前作でいう 「Silently」 のような目の覚めるポップ曲も欲しかったなーといった所。歌とバックが溶け合いすぎてメロディが頭に残りにくいのかなとも思います。もちろんその雰囲気、耽美的で幻想的、優しさと同時に血の通わない冷たさも残していく彼ららしさは十分表れていますが。


Rating: 6.6/10
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