CORNELIUS 「FANTASMA」
- アーティスト: Cornelius
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2010/11/03
- メディア: CD
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音の精度はグンバツであります。元々が高音質だったので派手に変わってはないけど、下手にいじらず順当にシェイプアップしてる感じ。全ての音に神経が行き届き、在るべき音が在るべき形で存在してる。内容についてはもう散々語り尽くされてるとは思うのですが、今聴くとやはり非常に90年代的な作品だなーと思う。それは決して古臭いという意味ではなく。 Tortoise や Stereolab などに通じる音響系ポストロック、クラブミュージックのグルーヴ感やサンプリング手法、それらを元来のライトでオサレな渋谷系ポップセンスと融合させ、テクノもポップもロックも縦横無尽に行き来する万華鏡のような音世界。90年代カルチャーの最先端にリアルタイムで同調し、巧みにシームレスに繋がれた楽曲群はこちらの予想をバシバシ裏切り、翻弄し、刺激と快楽を与え続けてくれる。しかしどれだけ実験性を取り入れて武装しても、核にあるポップネスはそれらに浸食されず、クールな表情でキラキラと輝きを放ってるのだから凄い。なのでリリカルな歌詞も実は重要。その歌詞や曲名に 「2010」 のタームがありますが、それが今となった。この作品は経年劣化に打ち勝った。