Avey Tare 「Down There」

Down There

Down There

Animal Collective のメンバーによる初のソロ作。


裏アニコレ。フリーク・フォークを飛び越えて豊潤なサイケ・エレクトロ・ポップと化した、バンド本隊の現時点での最新作 「Merriweather Post Pavilion」 。今作はその時の経験が生かされたであろう内容となっています。ディープな音響処理が全編において施された、密林の奥地から湧き立つ泉のようなミステリアスな音像。しかし本隊よりも開放的なポップネスが後退した反面、サウンドの実験性はより高く、奔放でフリーキーな作り。人の話し声が交錯し、輪郭の滲んだシンセが浮遊し、脈動のようなビートが散りばめられ、 Avey Tare 本人のヴォーカルも朗々と歌いつつ様々なエフェクトで加工。それらが膨張して開放に向かうのではなく、より閉塞的に、収斂していくような感覚。一聴したときのパワーは少々弱いですが、細部まで計算されてるようであり本能的なセンスに任せて作ってるようでもある、緻密と自然が一体化した構築性はやはりさすが。耳馴染みの良さ/包容感と、何処から何が飛び出すか分からないスリルの同居。厚い霧に飲み込まれる 「Oliver Twist」 、涼やかに流れる 「Heather in the Hospital」 を越えて、ラスト 「Lucky 1」 では祝祭的な光が?


Rating: 7.4/10
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