Moi dix Mois 「D+SECT」

D+SECT

D+SECT

MALICE MIZER の Mana を中心とする5人組の、3年9ヶ月ぶりとなる4作目。


これまたなんて自分に素直な作品だこと。 Mana 様が重度のゴシックロリータ至上主義かつ重度のメタリオン (あと重度のゲーヲタ) であるのは周知の事実ですが、もうそのままずっぱしなゴシックメタル。大仰なシンフォニック・シンセ/クワイアが響き渡り、それを切り裂く獰猛なメタル・アグレッション。メンバーチェンジを遂げた前作から攻撃性がグッと増し、その方向性が今回でさらに押し進められているわけですね。初っ端 「The Seventh Veil」 でブッ放す高速ブラストビートからしてそのアティテュードがいかにガチなものかひしひしと伝わってくる。ただ Versailles が光なら Moi dix Mois は影といった感じで、どれだけ激しく荒々しくなっても基本は世界観重視。この世ならざる薔薇と漆黒の世界が常に広がり、聴き手はヘドバンやモッシュといった肉体性よりもカルティックな心酔/陶酔に入る。サウンド的にマリスの影はほとんど払拭したようですが、それでいてメロディには従来の Mana 様らしさが見え隠れするのが何だか嬉しい。特に 「Witchcraft」 とか分かりやすいんじゃないかと。冷たい鉄の壁で覆われたアナザーワールド。従来のファンは納得でしょう。


Rating: 7.4/10
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