Braids 「Native Speaker」

Native Speaker

Native Speaker

カナダ出身の4人組による、3年ぶり2作目。


Animal Collective の撒いた種は世界各国より徐々に芽を出してきています。主体となるエレクトロニクスは静かに湧き立つ泉のように神秘的なサイケデリアを描き、開放的で多幸感のあるメロディがその小宇宙を膨張させる。基本的にはアニコレが 「Merriweather Post Pavilion」 で見せていた手法と同じ。ただこちらは女性ヴォーカルの澄んだ声質とコーラス/ハーモニーの流麗さがあり、アニコレよりも謎めいた毒々しさは薄い代わりに浮遊感/清涼感を強く打ち出した作り。オープナー 「Lemonade」 のタイトル通り何処かしら甘酸っぱさを感じさせるポップネス、 「Glass Deers」 や表題曲 「Native Speaker」 の長尺で魅せるドリーミーな陶酔感など、その瑞々しさ、郷愁、少々のオリエンタリズムも入り混じった深遠な美しさには思わず陶然とする。場面によってはむしろエレクトロ・シューゲイズと言った方が良いかもしれん。何となく90年代初頭のドリームポップ的なテイストもある気がするのですよね。秘境の奥地へと迷い込むのではなく、色を変える瞬間の空へスーッと吸い込まれる。感覚としてはそんな感じ。昨年の Glasser とか好きだった人にオススメ。


Rating: 7.6/10
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