嘘つきバービー 「ニニニニ」
- アーティスト: 嘘つきバービー
- 出版社/メーカー: ERJ
- 発売日: 2011/04/06
- メディア: CD
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デコンポジションごっこ。不可解でナンセンスな歌詞を歌う素っ頓狂なヴォーカル、全く予測のつかない曲展開で聴き手をひたすら煙に巻く、これもポストパンクの一種でしょうか。本人たちはゆらゆら帝国などの影響を公言しているようですが、ゆら帝のキワモノ的な部分にフォーカスを当て、抽出拡大したような歪さ。なのですけどね、正直に言いますと俺が一番嫌いな類です。ただ捻くれたことをやる、奇を衒ったことをやるといった 「手段」 にばかり意識が偏って、それで何を表現したいのか、何処へ向かいたいのかという 「目的」 がまるで見えてこない。この手法である必然性が見当たらないと言うか。例えばゆら帝であれば得体のしれない凄味、脱力の裏に潜むスリリングなダークネス、あるいはねちっこいエロティシズムのようなものが音から感じられましたが、彼らはもう至って無味乾燥。どれだけわけの分からないことをやっても、それが未知のものに出会う時の衝撃とかスリルとか、そういった他の何にも結び付かないのが痛い。やはりゆら帝って唯一無二の存在だったんだなと変なところで再確認したのでした。