あらかじめ決められた恋人たちへ 「CALLING」

CALLING

CALLING

大阪出身、池永正二を中心とするユニットの2年7ヶ月ぶり4作目。


今作はソロユニットからバンド編成にスタイルを変えて制作されたとのことですが、単なる音色などの変化だけではない、曲作りの面でもっと根本的な変化が見られます。従来のノスタルジックな哀愁漂うピアニカ、レゲエ/ダブの要素を残しつつ、テクノ/トランスやポストロックの手法を大々的に導入し、一気にスケール感を押し広げた内容。ロマンチックな輝きがギターノイズ放出とともに飛翔する 「Back」 、そこからさらにスリリングな加速度を増す高速ダンスナンバー 「ラセン」 、一転してドゥーミーとも言える重厚なダークネスが圧し掛かる 「Fire Glove」 など10曲。生の演奏陣はもちろんエレクトロニクスの使い方においても、フィジカルな躍動感/緊張感がグッと増してるのが良い。レゲエの心地良さがトランスの速度と交わってアッパーに向かったり、哀愁を纏ってレイドバックしたりしながら、その緊張だけは弛緩しすぎず全体の流れに大きなうねりを生み出してる。昨年のときめき☆ジャンボジャンボにも通じるそのダイナミックかつ深遠な世界観は、従来の内省的なイメージが残っていた身にはかなり鮮烈に映ります。まさしく脱皮から羽化って感じだ。


Rating: 8.2/10
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