Vampillia 「rule the world/deathtiny land」

Rule the World + Deathtiny Land

Rule the World + Deathtiny Land

前作からわずか半年のスパンでリリースされたフルレンス2作目。


X JAPAN に憧れたメキシコ産グラインドコアバンドが南米地下レーベルからリリース」 というコンセプトの下に制作されたとのこと。こいつらバカじゃないか?実際の音は流麗なピアノ/ストリングスと濁流のような高速ヘヴィサウンドが混然一体となり、ドラマチックな悲壮、トラッド的な狂騒、そして何より聴き手を煙に巻くシニカルな悪意がグルグル渦を巻くショートナンバーがズラリ。ポストロックとして生真面目な作りだった前作から打って変わってこのバンドらしいダメ人間的愉快さが出ております。1分未満の曲もザラというまた極端な構成といい、グシャグシャに押し潰されたヘヴィネスの酷さといい、コンセプト通りグラインドコアとしての要素は押さえられていますが、個人的に思い出したのは Fantômas 。何処か斜に構えたユーモラスな部分は Mike Patton のスタイルに通じるものがあると思います。ただ彼らの顔的存在であるデス、ゲス、オペラのトリプルヴォーカルがあまり活かされてないのはちょっと残念。コンセプトを最優先させたためか、音も声もほとんど混ざりまくってグチャグチャなのだよな (笑) 。まーでもこういう大掛かりな嫌がらせは今後も続けてもらいたい。


Rating: 7.2/10
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