VERSAILLES 「Holy Grail」
- アーティスト: Versailles
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: CD
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築城築城また築城。相変わらず彼らが目指す世界観は一切のブレがありません。高水準のテクニックを駆使してこれでもかと弾き倒すハイスピード・メタルサウンド。そこでは気高い貴族の舞踏会が優雅に執り行われているし、伯爵と召使の身分を超えた禁断のラブロマンスが展開されるし、なんなら十字軍と吸血鬼が聖杯を巡って死闘を繰り広げたりしますよ。ヴィジュアル系がメタル由来のヘヴィネスを導入するケースは非常に多いですけども、彼らがその中で頭一つ抜き出て輝いてるのは、やはりこの徹底的なナルシシズムがあるから。一歩間違えればギャグになりかねないこの濃ゆさ、盲目なほどに耽美を追求するアティテュードの強靭さはやはり刺激的。 「おねがいかなえてヴェルサイユ」 のようなバラエティだってこの強靭さがあってこそ成り立つようなものでしょう。今作で言えば 「MASQUERADE」 「Vampire」 などはメロディ×スピード×パワーの相乗効果が特にガッツリ響いてくるし、止めを刺す16分のシンフォニア大曲 「Faith & Decision」 も特盛すぎてゲップが出そう。彼らの正義感は今作でも十分有効ですね。