LAGITAGIDA 「TUTELA!!」

TUTELA!!

TUTELA!!

2010年結成の3人組による初フルレンス。


ヤケクソな叫び声のようなバンド名ですが、中身も常に言葉にならない叫びを上げ続けてる感じ。全編インストゥルメンタルによるプログレ/ポストロックです。ジャキジャキと鋭く研鑚されたギターに、荒々しく転げ回るリズム隊。確かな技巧に裏打ちされたテクニカルな演奏で、どのパートも縦横無尽に暴れ回るカオティック・サウンド。とことんパワフルで豪快にすっ飛ばすその音はオープンに開かれており、無闇に壮大なスケール感を持って迫ってきます。ただ全体的にはカッチリとした理知的な曲構成で統制が取られ、その枠内で思いっきり音を放出してる、という感じ。高まった熱の裏側にインテリジェンスを感じるのですね。それを良いと捉えるか悪いと捉えるかは様々ですが、個人的にはまだまだ頭のネジを外せるんじゃないかという、もう一歩先のスリルを求めてしまいました。勢いはあるけど、それが緊張感にまでは完全に結びついてないかなーと。ハードコアな突進力が特に強く現れた 「Drastica」 、叙情的な憂いを滲ませるパートを挟んで男らしいドラマチシズムを生み出す 「Sensya」 など、佳曲ももちろんありますが。

Rating: 6.8/10