Atari Teenage Riot 「Reset」

2年9ヶ月ぶりとなる5作目。


前作 「Is This Hyperreal?」 もそうでしたけど、以前のノイジーな急進的デジタルハードコアから、復活後は The Prodigy あたりを彷彿とさせる洗練されたデジロックになってきてますね。オープナー 「J1M1」 は意外にもミドルテンポのグルーヴを意識したナンバーだったり、続く 「Street Grime」 はダブステップを導入、 「Modern Liars」 に至ってはほとんど US ヒットチャートポップス。男女ツイン MC のハイテンションなアジテーションこそ ATR 的な熱を発散させているものの、随所のシンセやギターリフは思い切りポップと言える作りで、今までに比べると敷居はだいぶ下がってると思います。ただ自分がアタリに求めてるものはそっちではなくてですね。理性のタガを吹っ飛ばしてくれるような高速ビート、敢えて引くなどということを知らない熱量の暴発、ライブの興奮を呼び覚ましてくれるようなアグレッションこそがアタリなわけじゃないですか。今作は彼らにとっては挑戦的な内容なのかもしれませんが、猥雑からクリアへと向かって行くサウンドの変化に、個人的には一抹の寂しさを感じてしまいました。

Rating: 5.9/10