cinema staff 「Drums, Bass, 2 (to) Guitars」

岐阜出身の4人組による、11ヶ月ぶり3作目。


このバンドを初めて聴いたのは先日のブッチャーズのトリビュート盤でしたが、技巧的でありつつ伸びやかな歌声を中心に立てたバンドアンサンブルは、疾走感とともにまるで若葉のような青さ、切なさを匂わせていて、その正しく J-ROCK 的と言える真っ直ぐさが最近の若手の中では逆に新鮮に感じられたのでした。それからオリジナルの今作。ざっと聴いたところ彼らの中で NUMBER GIRL9mm Parabellum Bullet が二大巨頭として在るのだろうなというのが第一印象でした。直線的なベースラインであったり、細かい所で手数の多い高度なテクニックを挟むあたりはそれらの影響が垣間見える。とはいえ一番耳を惹くのはやはりその瑞々しく朗々としたヴォーカル。特にシングルにもなっていた 「great escape」 や 「dawnrider」 なんかは憂いのあるキャッチーさが心地良い佳曲。それ以外では軽快なタッチの 「theme of us」 「tokyo surf」 や、シャウト全開で彼ら流のアグレッションを剥き出しにした 「shiranai hito」 などがありますが、王道のキラーチューンに比較するとちとパンチが弱く、枝葉を伸ばそうとして伸ばし切れてない印象を受ける。この先はどう変化するか。

Rating: 6.9/10