MADAME EDWARDA 「ヒステリックな侯爵夫人」

- アーティスト: マダム・エドワルダ
- 出版社/メーカー: Weird Tail
- 発売日: 2014/06/25
- メディア: CD
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リリースから実に30年、長らく廃盤扱いであったこの作品もようやくまともに聴けて感慨もひとしおです。まだヴィジュアル系という単語が生まれるよりも前、アンダーグラウンドにおいて産声を上げた国産ゴシック/ポジティブパンクの代表的作品です。 Bauhaus や Virgin Prunes といった同世代の潮流とピッタリ合致する、呪術的な毒気に満ちたサウンド。その中で朗々と歌うヴォーカル Zin の上擦った歌声は、まるで何処ぞの密教の司祭のような奇妙なカリスマ性を発揮しています。聴いているだけでズブズブと身体が沼に沈んでいくような中毒性を孕んでいるのですが、そもそもポジティブパンクがその名の通りパンクの延長線上であるように、パンク/ロックンロールのストレートな攻撃性も持ち合わせているのですね。 「Opera」 や 「NOSTALGIA」 などの前半部はそのパンク成分が顕著だし、より禍々しいミドルチューン 「Le SABBAT」 や 「Trench Coat」 においても荒削りな刺々しさが印象的。この表現衝動を第一に据えたが故の緊張感は精神的な意味も含めて実にパンキッシュではないかと。この調子で次は Sadie Sads の再発をお願いします。
Rating: 8.4/10