FUJI ROCK FESTIVAL '14 1日目


2年ぶりのフジロックはやっぱり過酷でした。




昨年は仕事やらなんやらのファッキン事情で断念せざるを得なかったフジロックビョークもキュアーも一体いつになったら見れるんすか…と盛大に歯噛みしていたものですが、今年はそのぶんの気合いも混みで行ってきました。思ったことだけをつらつら書かせてくださいね!写真とかはオフィシャルにあるよ!おじさん帰ってきたばっかりで疲れとんねん。


G-FREAK FACTORY @ WHITE STAGE
始まりに相応しいピーカン照りの太陽の下、物販などを一通り見た後でグリーンの ROUTE17 オーケストラをぼんやり見てたけどちょっとノリについて行けず、ぶらりとホワイトまで来たのでした。群馬出身の4人組だけど BOØWYBUCK-TICK を尊敬してるような節は特になく、 「ドレッドロック」 を標榜してるということでレゲエとロックのミクスチャー。歌詞は生きる、生活するということに対して熱い信念、メッセージを届けるという感じでちと暑苦しくもあったのですが、ルーズと野蛮が同居するレゲエのリズムは昼からビール飲むのに最適の肴。今年のフジってレゲエ枠が彼らぐらいのようなので見れて良かったかなと。


MIYAVI @ WHTIE STAGE
今までに SUGIZOINORAN が別働バンドで出演したことはあったけど、自分の名義で出演したヴィジュアル系って彼が初なんじゃないか?ただ音楽性は所謂ヴィジュアル系からは程遠く、異様に鋭い響きを持って迫るエレアコ鬼スラップと、 BOBO のきめ細かなビートが繰り出す新型ファンクサウンド。 「WHAT'S MY NAME?」 の楽曲は純粋に二人のみの音で、 「MIYAVI」 の曲は打ち込みのオケを流しながらの演奏。後者はシンガロングパートを多く盛り込んでいかにもライブ向けという体ではありますが、正直自分としては二人の音が激しく拮抗する前者の曲が遥かに好み、というか二人の音だけで十分にオリジナリティを発揮しているし、グルーヴも攻撃性も申し分ないので打ち込みは蛇足に感じてしまうんですよね。 「WHAT'S MY NAME?」 「SURVIVE」 などでザクザク刻むアコギの激しさは問答無用に身体を突き上げてくれました。周りを見てると一見さんを多く踊らせていたように思うし、アウェイの状況下でも健闘していたんじゃないかなと。


SLOWDIVE @ RED MARQUEE
今年のフジロック最大の目玉その1。今年初頭に19年ぶりの再結成を果たしたシューゲイザー御三家のひとつであります。ステージ後ろのスクリーンに slowdive の文字が浮かび上がり、さすがにややお年を召された感じのメンバー5人が登場。さっそく放たれたギターサウンドシューゲイザーと括られる中でも最も柔らかで優しく、重厚さとともに美しい透明感を湛えた音。ギター2本 (時に3本) だけとは思えない複雑なテクスチャーが広がり、蒸し暑いマーキーのテント内を一瞬にして飲み込んでいく。 「Alison」 「Machine Gun」 「Catch the Breeze」 といった往年の名曲目白押しで、音源では実験的だった 「Crazy for You」 もここではギター轟音注入で明快な心地良さを放っていました。またラストの 「Golden Hair」 では Mogwai ばりの迫力あるウォール・オブ・サウンドを展開しており、彼女らがシューゲのみならずポストロックの系譜においても重要なバンドであることを誇示するような、とにかく圧倒的なプレイでした。ただ何回でも言うがなんで昼間のマーキーやねん…夕暮れ時のホワイトで1時間くらい演奏してくれてたら確実に泣いてたな。


FIRST AID KIT @ WHITE STAGE
先日の新譜も良作だったスウェーデンの姉妹デュオ。ラップスティールとドラムを従えた4人編成で、1曲目から早速 「Stay Gold」 。彼女たちのハーモニーは炎天下のライブにおいても全く魅力が落ちることなく、むしろ音源よりも一層朗らかで時にはエモーショナルとも言える豊かな響きを聴かせてくれました。そしてまたえらくキュートなのだな彼女ら。全身ゴールドのエキゾチックな衣装に身を包み、やたらと流暢な日本語 MC を挟みながらはにかんだ笑顔を見せたり、 「Heaven Knows」 なんかの牧歌的な躍動感に乗せて高らかに声を上げる場面など、エリアの至る所から可愛いー!と嬌声が飛び交っていましたね。あまりライブのイメージが湧かなかったので最初はどうかなーと思ってたんですが、北欧の涼やかな Kawaiiness を充足できたのでおじさんは満足です。


電気グルーヴ @ GREEN STAGE
最初は THE YOUNG PHILADELPHIANS か大森靖子見ようかと思ってたんですが、足の疲れで早々にへばってしまったのでグリーンの草原でうたたねしてからの電気。ステージにはどこぞの神殿のような白い階段と機材。 「コンニチハ、電気グルーヴデス」 のロボ声から始まったのは 「ハロー!ミスターモンキーマジックオーケストラ」 。2年前のフジも同じオープニングでしたが、この曲から始まるというのはかつての名盤 「イルボン2000」 を想起させられて、否が応でもテンションが上がってしまう。そこからは 「SHAME」 「SHAMELESS」 「ズーディザイア」 と最近の曲から 「Shangri-La」 「N.O.」 といった往年のヒット曲まで、ライブの定番曲/キラー曲はほとんど網羅したセットリスト。2年前のマーキーは人が多すぎて十分に楽しめたとは言えなかったので、今回は電気本来のライブアクトっぷりを十分に体感できたので満足でした。 「Nothing's Gonna Change」 は夜のグリーンではキラーすぎるよ。


BASEMENT JAXX @ WHITE STAGE
スタイルは違えど同レベルにライブの楽しいフランツとどちらにするか、大友良英オーケストラでの能年玲奈ゲストの可能性に賭けるか、相当迷いましたが結局ベイスメン・ジャックス。数年前に見た時と同じくオープニングは 「Good Luck」 。ビッグママな黒人ヴォーカルがドスの効いた歌唱を聴かせ、ヒラヒラと華麗に振り付けをこなし、力強く観客をアジテートしていく。また途中からはアジア系 (韓国?) のキュートな女性デュオにバトンタッチしたり、男女ラッパーがスリリングな掛け合いを見せたり、果ては 「Raindrops」 のオーケストラアレンジに乗せてバレリーナまで登場したり。前も思ったけど今回もいったい何人ゲストが来てるのか途中から分からなくなってくるほどの豪華絢爛ショウアップ。最後に演者全員が出て来た時のステージ上はカオスそのもの (笑) 。 「Red Alert」 「Romeo」 といった初期の曲からリリース前の新曲も多数交えていましたが、曲知らなくても誰でもノれるグルーヴの強靭さ、見てるだけでも楽しいエンターテインメント性に特化したステージング。完全に横綱相撲でしたね。電気グルーヴと合わせてひたすら踊り倒しの初日なのでした。


こんな感じで、ベストアクトは当然のように Slowdive でしたとさ。明日に続く。