きのこ帝国 「CITY GIRL CITY BOY」 @ 梅田CLUB QUATTRO

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単独公演の記事書くの随分久しぶりだなー。


今まで何度か機会はあったものの、本腰入れてライブを見るのはこれが初めてのきのこ帝国。佐藤氏は思ったよりも小柄で、高めのポジションでギターを構える姿がなんだか初々しくも見えた、と言ったら失礼だろうか。他のメンバーはしきりに笑顔を見せていて、クールなイメージとは裏腹にフレンドリーで和気藹々とした雰囲気があって、それがなんだかバンドの状態が充実しているという上昇気流感を自然と証明しているようで、こちらも思わず顔がほころんでしまった。


「eureka」 と 「フェイクワールドワンダーランド」 、同じバンドの作品でありながら綺麗に表と裏、陰と陽の関係を成しているこの2作。セットリストはもちろんこれらの収録曲がメインを占めていたのですが、この2面性がひとつの流れに組み込まれることで、夕暮れから深い夜になり、やがて朝がやってくるような一連のスムーズな流れを生み出していて、ライブならではのダイナミズムがはっきりと打ち出されていました。随一の名曲 「クロノスタシス」 では甘美な静けさを湛えたムードがアルコールの酔いと混ざって不思議な心地良さを与えてくれたり、 「平行世界」 から 「You outside my window」 への流れがあまりにも劇的で目の覚めるような感動があったり (でも派手なミラーボールはこのバンドには似合わないなーなどとも) 、 「ユーリカ」 「夜鷹」 で見せる彼らの最もヘヴィな表現に打ち震えたりと、数多くのハイライトが。


他だと 「eureka」 曲での轟音パートにおいて、ボディに蹴りを入れたりスタンドに擦りつけるなどしてギターをいわしまくっていたあーちゃんにときめく場面もあったりしましたが、全体的にはドラムのコン氏に目が行くことが多かった気がします。プレイ的には丁寧で、さほどアグレッシブに主張してくるわけではないのですが、少し猫背気味の姿勢で綺麗に手首のスナップを効かせて叩くプレイスタイルが、自分的にはなんとなくアヒトイナザワを思い起こさせていたから。カノウプス使ってたし。


そんなこんなで、ほとんど MC を挟まずポンポンと進んでいったため、本編18曲が90分弱という長さで意外にコンパクトに感じられました。最後の 「フェイクワールドワンダーランド」 はバンドアレンジによる完全版。このニセモノ世界がこれからもゆっくりと続いていく、自分達はパレードを続けていくという意思表示のようで、終幕の時まで確かに 「未来」 を感じさせてくれたのでした。


<セットリスト>
1. 海と花束
2. ロンググッドバイ
3. ラストデイ
4. クロノスタシス
5. ヴァージン・スーサイド
6. あるゆえ
7. 平行世界
8. You outside my window
9. 国道スロープ
10. パラノイドパレード
11. ユーリカ
12. 夜鷹
13. 退屈しのぎ
14. 夜が明けたら
15. 疾走
16. 明日にはすべてが終わるとして
17. 東京
18. フェイクワールドワンダーランド
(アンコール)
19. Telepathy/Overdrive