おとぎ話 「CULTURE CLUB」

CULTURE CLUB

CULTURE CLUB

2000年結成の4人組による、2年ぶり7作目。


カルチャークラブと言ってもいきなり彼らがゲイファッションに目覚めたわけではなく。実際に聴くのが2008年の 「理由なき反抗」 以来なんですけども、その頃から現在に至るまで彼らの趣味嗜好はずっと一貫しています。60年代サイケ/ガレージ/フォークロックへの憧憬を臆することなく詰め込んだ、明朗で人懐っこいオールディーズ・ロックンロール。全曲グッドメロディに拘りつつ、何気にハードロックの要素もそこかしこに見られるのがミソでしょうか、牧歌的でありつつも骨組みは意外にタフな感触。過去には峯田和伸曽我部恵一にフックアップされていたということで、いわゆる青春らしい真っ直ぐな甘酸っぱさもやはり残っていますが、ただその先人たちが作り上げたステレオタイプなイメージに沿うばかりではありません。例えばオープナー 「運命」 は曲名に相応しくスペーシーに音が広がる力強い楽曲ですが、有馬和樹のファジーで朗々としたヴォーカルであったり、サイケデリックな意匠がある種の酩酊感、毒っぽさを孕んでいる気もして思わず惹き込まれる。純粋と背徳、オープンマインドと含蓄。両者が揃ってこそのサブカルチャー

Rating: 7.8/10



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