Belle and Sebastian 「Girls in Peacetime Want to Dance」

Girls In Peacetime Want To Dance

Girls In Peacetime Want To Dance

4年3ヶ月ぶりとなる9作目。


今回はベルセバ初のダンスアルバム。とは言いつつもドギツいワブルベースなどが唸っているはずもなく、従来の上品で洒脱なネオアコ・インディポップに沿う形での、あくまでもベルセバ流のダンスポップということですね。果たして Daft Punk の世界的成功が影響してるのかどうなのか、どの曲においても軽やかな4つ打ちであったり、80年代シンセポップ、あるいは70年代ディスコ/ファンクの要素を導入するなどして、小気味良く軽やかなグルーヴが全編に通底しています。その実験性が顕著な 「The Party Line」 はもうこれにコーラス足せば ABBA か Bee Gees かといった勢いだし、 「Enter Sylvia Past」 などはもはや Madonna の領域でさすがに笑ってしまった。オープナー 「Nobody's Empire」 のようにこれまでの方向性を汲んだ秀曲もあるにはありますが、ファン的には大きく面食らう場面の方が多いはず。総じて試行錯誤気味な感触は拭えないものの、キャリア的にはすっかりベテランなのにしたたかな音楽的野心を未だ秘めているあたり、まだ彼らは枯れてないなと。次も同じ方向で詰めてくれれば大傑作が生まれてくる予感。

Rating: 7.6/10



Belle & Sebastian "Nobody's Empire" - YouTube