sukekiyo 「VITIUM」

VITIUM(初回生産限定盤)

VITIUM(初回生産限定盤)

前作から約9ヶ月ぶり、初のミニアルバム。


基本的な方向性は昨年のフル作 「IMMORTALIS」 と同様に、ヘヴィネスよりも透明感や幻惑的なムードに重きを置いた独自のプログレッシブ・デス。ただボリューム的には前作の約半分でありながら、曲毎に詰め込まれた情報量はさらに増しており、短期間のうちに彼らが積んだバンドとしての経験値は確実に反映されています。昨年のディル本隊による 「ARCHE」 でもそうでしたが、最近の京はメロディを歌うことに再度意識が強くなっており、今作でも湿っぽい憂いに満ちたメロディを、艶やかなヴォーカルが情感たっぷりに歌い上げています。 「雨上がりの優詩」 などは昭和歌謡的、ともすれば演歌的とも言える哀愁を振り撒いていて、そこから彼のルーツの一断面が垣間見れるようで興味深い。その一方で 「dunes」 などはプログレ要素がさらに強まって一層カオティックな様相を見せていたりと、スケキヨを構成する各要素がさらに色濃くなり、どっぷり濃密な世界観を構築しています。そしてボートラは Toshl のたおやかに伸びるヴォーカルも聴き応えありますが、三上博史のこの声はちょっと危険じゃないか。あまりにも魔性だ。

Rating: 7.9/10



sukekiyo 「focus」 (short ver.) from 1st mini album『VITIUM』