大槻ケンヂ 「対自核 - 自己カヴァー」

2002年に発表されたセルフカヴァー作の HQCD 再発盤。


ソロデビュー20周年&特撮デビュー15周年ということで、徳間ジャパン時代の特撮と一緒にこの作品もサルベージされました。これまでの各名義からバランス良く選曲された内容ですが、特に筋少の楽曲は変化が顕著。もともと筋少橘高文彦のイニシアチブが強く、良くも悪くも HR/HM に引っ張られがちだったし、更にオーケンがアコースティックに凝り出したのもあったりで、アコギ基調のシンプルなアレンジと化した 「サボテンとバントライン」 「蜘蛛の糸」 は、これはこれで面白い味。あと個人的に 「孤島の鬼」 と 「詩人オウムの世界」 はオリジナルよりも先にこっちを聴いたせいか、ソリッドで無駄のないこのテイクが未だに本家より好きだったりします。あとは色んな人の声を入れるのが好きなオーケンらしく、森本レオから yasu (Acid Black Cherry) まで自身の人脈を駆使したゲスト陣が無闇に華やかさを演出。ただヘヴィネスの引っ込んだ音作りがもったいない特撮参加の2曲や、チープだけど妙に仰々しい打ち込みの 「天使」 「モンブランケーキ」 は今聴いても謎な作りだな…。とりあえず 「ボヨヨン伝説」 を聴いて色んな意味で泣いてしまうファン向け。

Rating: 6.4/10



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