DAOKO 「DAOKO」

DAOKO(通常盤)

DAOKO(通常盤)

前作からわずか1ヶ月ぶり、メジャーデビュー作となる4作目。


10代のうちに流れていく時間は我々のソレよりも遥かに濃密なもの。余所見していようものならあっという間に置いてけぼりを食らうスピードで彼女は活動を展開しています。今作はメジャーを意識してかメロディを歌うパートが増え、随分とポップになった印象を受けます。とは言っても露骨に派手だったりキャッチーに走ったわけではなく、彼女独特のウィスパーヴォイスを駆使した、繊細で冷たい質感はキープ。 「ぼく」 「きみ」 「ミュージック」 「JK」 と、自分自身あるいはその身近な存在をテーマにしたリアルな表現が目につきますが、そこからは血肉を切り売りするような生々しさではなく、何処か俯瞰的で淡々とした印象を受ける。このクールネスこそコンプレックスや虚無感を内に抱え込んだティーンエイジならではの表現だと思うのですが、偏見だったらごめんなさい。しかし 「高い壁には幾千のドア」 などを聴けば、内省的でありつつも確実に目線は外へ向かっているのが感じられ、次のステップへと繋がる余韻がさらにリスナーを惹きつける。あと 「水星」 カヴァーは賛否両論あるかと思いますが、バズを起こすという意味では好手だったのかなと。

Rating: 7.8/10



DAOKO 「かけてあげる」MV[HD] - YouTube