血眼 「whiteout」

whiteout

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徳島出身の3人組による初フルレンス。


厳つい名前ですがハードコアではありません。元来アウトローだったり奇人だったり過度にドレスアップしてたりといった、所謂ロックバンドのイメージを塗り替えた先人としてくるりバンプアジカンなどの名前が挙がるかと思いますが、ことガールズバンドに関してチャットモンチーの登場というのはやはりひとつの衝撃だったのだなと。男勝りな勢い、あるいはアイドル的な華やかさに満ちていなくとも、素のままでロックを演れるガールズバンドはチャットが決定打だったと思います。このバンドもチャットと同じく徳島出身なだけに、引き合いに出されるのはもはや残酷な宿命かとも思いますが、単なるフォロワーで片づけるのは勿体ない。ほとんど飾り気のないシンプルなギターロックで、そのシンプルさ故にメロディの求心力が際立っています。すでに試聴で聴いた 「涙のブラウニー」 のサビメロが脳内にこびり付いて離れない状態ですが、シリアスな疾走感と歌詞の澄み切った静寂が対照的な 「光の部屋」 、強い雨の憂鬱が重く圧し掛かるような 「八月十日」 など、ラフな中にも繊細なタッチが見え隠れする9曲。未完の大器感ある。

Rating: 8.2/10



血眼「涙のブラウニー」MV - YouTube