Awesome City Club 「Awesome City Tracks」

Awesome City Tracks

Awesome City Tracks

2013年結成の5人組によるメジャーデビュー作。


前に何気なく彼らのインタビューを読んでいたのですが、一番印象的だったのはそのしたたかな戦略性でした。ファンク/ソウルを咀嚼したインディロック、そこに渋谷系シティポップの洗練されたファッション性や、パレード風の祝祭的なムードも加味した音楽性。洋楽志向の程良いスノッブ感は昨今の所謂ロキノン系シーンへの効果的なカウンターに成り得るだろうし、スマートな知性と素朴なポップネスはある種の普遍性も携えています。メンバーの男女比であったり、読モアイドルそのままなフロントマンを据えるといったルックス面も想定した上のものらしく、とにかくその自己プロデュース力の高さには舌を巻く勢い。実際楽曲や MV のクオリティは実に高く、定めた狙いを忠実に射抜いた完成度の高さを見せています。なのですけどね、デビューのミニ作の時点でここまで一切の隙を見せず、完璧に構築された理想像を提示されても、それはそれで興を殺がれるといいますか。フォルムの美しさに特化しすぎては味気ないし、場面によってはあざとくも見えてしまう。ないものねだりだか不感症だか、もっと型破りな刺激が自分には必要でした。音楽って難しいね。

Rating: 6.0/10



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