花澤香菜 「Blue Avenue」

Blue Avenue

Blue Avenue

1年2ヶ月ぶり3作目。


オトナのはなざーさん。デビュー時より渋谷系界隈の作家を招聘してガーリーで落ち着いた作風を見せていた彼女ですが、今回はジャズ/ファンク、あるいはエレクトロニカ方面へと路線を定め、しっとりとした翳りのある感触が印象的。16ビートの躍動が腰にクる 「Nobody Knows」 やスウィンギンなビッグバンド 「Night And Day」 などはそのまま直球だし、 「ほほ笑みモード」 「We Are So in Love」 の4つ打ちにしてもよくあるトランスではなく、ハウシーな洗練を際立たせた仕上がりでスムーズに聴ける。そういった音楽的成熟が見られる一方で花澤さんのヴォーカルはと言うと、割と自然体と言うかいつも通りのゆるふわ Kawaiiness 。まーこれが彼女らしい個性と言えばそうなんですけども、この微細な揺れをキモとしたトラックの上に乗ると、どうも歌の表情がのっぺりしたものに感じられてしまう。 「Trace」 「Dream A Dream」 などアンニュイなブレスを効果的に使った新境地も確かにありますが、全体的にはまだ楽曲のシックでムーディな色味に染まりきってるとは言い難い。別に本気でジャズシンガーになれとは言いませんが、まだ歌わされてる感が微妙に。

Rating: 6.1/10



花澤香菜 『Blue Avenue 全曲試聴 曲のみVer.』 - YouTube