Ultrademon 「Pirate Utopias」

パイレート・ユートピアズ

シカゴ出身のプロデューサーによる、約2年ぶり2作目。

話によると新ジャンル 「Seapunk」 の第一人者ということらしく、すなわち少し前のチルウェーブからウィッチハウス、昨今のジューク、 EDM 、果てはヴェイパーウェーブなどを消化したエレクトロサウンドの新境地であり、更にはエメラルドグリーンを基調とした髪色、ファッションまでを内包したカルチャー全般を差すとのこと。うっわ胡散くせー。どこのでっち上げだよと俄かには信じがたいのですが、実際の音の方はなるほど面白い仕上がり。主張の強いビートや無闇にキラキラした上モノが無軌道に散りばめられた楽曲は、シュルレアリスム的な歪さを強烈に感じさせながらも、根底には確かにファンキーなグルーヴが紡がれており、ひたすらジャンクなのに聴き終えた後の印象は異様にポップ。本人的にはパーティーをガッツリ盛り上げるつもりなのが、興が乗ってきてだんだん悪ノリに走ってしまった感じで、何処まで天然で何処まで計算なのかがパッと聴きでは判別がつかない。この得体の知れなさはある意味 Aphex Twin にも通じる気が。色んな材料を好き勝手混ぜ込んでるうちに神秘のトリップへと繋がる味が生まれた闇鍋的一枚。

Rating: 7.7/10

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