パスピエ 「娑婆ラバ」

1年3ヶ月ぶりとなる5作目。


ジャケットのイラストが作品を重ねる毎に絢爛になってきてるのに比例して、ますます高性能っぷりに磨きがかかってます。オープナー 「手加減の無い未来」 からブワッと駆け抜ける春風のような疾走感。成田ハネダのバックボーンでもあるクラシックの意匠を施しつつ、例えば東京事変 「透明人間」 のような、いやそれ以上の快活さを放ち、出だしから早くもクライマックスの様相を呈する。もちろんその後も息切れはせず 「裏の裏」 「贅沢ないいわけ」 「トキノワ」 といった先行曲はいずれも彼女らの勢いをストレートに伝えるアッパーチューンだったり、表題からは思いもよらない変則ディスコナンバー 「蜘蛛の糸」 、祭囃子というよりクルセイダーの行進のような力強さを感じる 「つくり囃子」 などはもはやプログレ方面へと足を突っ込みつつある気が。エピックな広がりを見せるアンサンブルの力の入りっぷりと、ポップであることにとことん誠実な彼らの生真面目っぷりがビシッと貫かれた力作。ただこのままの路線を続けると過剰になりすぎて情報量が飽和しそうな気もするので、せめてアルバム曲では思い切って遊んでみても良いんじゃないかなーと。

Rating: 7.9/10



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