Drew McDowall 「Collapse」

Collapse

Collapse

スコットランド出身のアーティストによる、ソロ名義では初の作品。


この人が80年代には Psychic TV 、90年代には Coil といったユニットに在籍し、 NIN 「The Downward Spiral」 のリミックスも多数こなしていた、平たく言えば正気とガイキチの狭間にいる人です。そして昨日紹介した Rose McDowall の元旦那。どんな夫婦生活を送ってたのか全く想像つきませんね!それで音の方ですが、やっぱり正気かガイキチか判断の付きづらいものでした。ひっそりと立ち昇る環境音的ノイズ、浮遊するパルス音で構成された実験的インダストリアル。初っ端の 「The Chimeric Mesh Withdraws」 が三部構成による約20分の大曲。三部構成といいつつ展開の切れ目は不明瞭なもので、まるで核爆発後の荒廃した世界のような、はたまた殺人鬼の潜む真夜中の洋館のような、ともかくひたすらに不安、緊張を煽ってくる空間デザインアート。ごく一部の物好きたちが恍惚の表情で聴き耽っている絵が浮かんできて微笑ましいですね。ただ70~80年代のノイズ作品に比べるとかなり洗練されたテクスチャーで、アンビエント的な要素も強く案外聴きやすい気もする。 「Through is Out」 なんかはメロウでロマンチック?秋の夜長にピッタリの一枚。

Rating: 7.3/10


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