摩天楼オペラ「地球」
- アーティスト: 摩天楼オペラ
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2016/01/20
- メディア: CD
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これまでも楽曲の濃さを煮詰める方向にのみ彼らは突き進んでいましたが、今回その濃度をまたひとつ更新しています。前作「AVALON」のファンタジックなテイストはやや後退、しかしそれを補って余りあるエピックでパワフルな突進力、そして「君と見る風の行方」では哀愁のフォークメタル、「Good Bye My World」ではジャズ歌謡、「讃えよう 母なる地で」に至っては少年合唱団を従えるなど、使えるものは何でも使えと言わんばかりの雑多なネタ。ヴォーカルはヴォーカルで相変わらず稲葉浩志と西川貴教が交互に憑依するしで、聴いてるうちにだんだん頭が暑苦しさでのぼせそうになっていくのが分かる。まあ表題にドドンと「地球」と据えているだけにこれぐらいの盛り込み具合でちょうど良いのかもしれませんが、さすがにトゥーマッチすぎて彼らの主幹を見失いそうになるし、近いうちにネタ切れを起こして行き詰まってしまうのではという不安もよぎる。攻撃曲もバラードもほとんど押し一辺倒というのが彼らの主義であるのはよく分かりますが、客観的な目線で程良く引きの要素を与えてあげた方が、全体のメリハリもつくと思うのですけどね。
Rating: 6.3/10