gibkiy gibkiy gibkiy「不条理種劇」

不条理種劇

不条理種劇

kazumaaie を中心とする4人組の初フルレンス。


highfashionparalyze として活動していた二人に sakura と kazu がサポート参加し、それが今回のパーマネントなバンドに発展したという流れ。ギターと歌のみという極限までのシンプルさこそが彼ら独自の生々しい緊張感を生み出す一番の要因だったので、聴く前は少々の不安もありました。しかし実際に聴いてみると、確かに真っ当に力強いダイナミズムが付加されてはいますが、即興、ジャムセッション的な感触の強いアンサンブルは互いの出方を窺うような切迫したムードに満ちており、ジットリ湿っぽいダークネスやエモーショナルな気迫は決して希釈されていません。「嫋嫋たる対象」「箍を外す場合、穴に群れる具合」のパワフルなアレンジなんかはこのバンド編成だからこそ出来ることだろうし、「形状において歪な、または不自然な」のジャズ要素も彼らがやるとアングラなキナ臭さばかりが際立つのが面白い。kazuma にとっては Merry Go Round 以来のオーセンティックなバンドサウンドへの回帰となりましたが、メリゴの実質的な最終作「dot」から地続きの個性が、ここでまた新たな更新を果たしています。醜さと美しさを抉り取る、深い業のような歌。

Rating: 8.2/10



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