豊崎愛生「all time Lovin'」

2年半ぶりとなる3作目。


Love is ロックンロール。いや別に内田裕也が憑依したわけではなく、今までの作品で見られたネオアコやシンセポップ、またはファンタジックな装飾が今作ではやや後退し、一貫してバンドサウンドに重きを置いた内容になっています。「Uh-LaLa」「叶えたまえ」の躍動感を筆頭に、ミドル曲「クローバー」「ディライト」でも生演奏の軽快さがまず印象に残るし、「ほおずき」のレゲエ、「トマト」のシャッフルなども言わば広義のロックの範疇。その中でも一番の目玉は「恋するラヴレター」でしょう。 作曲者 ROLLY の得意中の得意分野であろうグラムロックのワイルドかつスウィートな味わいが豊崎さんの歌声と絶妙にマッチし、文字通りブッ飛んだサビの破壊力もバッチリ、ダメ押しで歌詞には「レスポールで奏でたメロディ」と来たもんだ。ここに平沢唯の輝かしい勇姿がフラッシュバックするオタクは多いはず。大丈夫、俺もその一人です。この一曲だけでもロックンロールが我々に夢と希望を与えてくれることを再確認させてくれた。これが愛でなくて何なのか。全体的には過去作と比べるとやや地味で小粒な印象はありますが、これが今後の指針になりそう。

Rating: 7.2/10