cali≠gari「憧憬、睡蓮と向日葵」

憧憬、睡蓮と向日葵[良心盤(通常盤)]

憧憬、睡蓮と向日葵[良心盤(通常盤)]

約1年ぶりのリリースとなるミニアルバム。


今回のコンセプトは「夏」。明確なコンセプトを打ち立てたアルバムは2000年の「ブルーフィルム」以来ですね。下世話、シュール、ムーディ、青春と様々な切り口でエロティシズムを展開していた傑作から、実に16年ぶりの今作はどうか。清廉とした浮遊感と風を切るスピードで突き抜ける「薫風、都会、行き行きて」、グラムロック感バリバリの痛快なギターリフで押し倒す「ギラギラ」を経て、中盤「陽だまり炎」「蜃気楼とデジャブ」ではファンキーに跳ねるリズムがやたらと淫靡に迫り、また一転して爽快さ弾けるシンセポップ「アレガ☆パラダイス」、そして表題曲「憧憬、睡蓮と向日葵」は ken 直伝のギターソロが高らかに鳴り響く牧歌的 J-POP 。最近の作品の中では最も桜井青の作曲率が高く、彼本来の持ち味であるノスタルジックな正統派ポップメロディが最も印象的。ただ「夏」というキーワードがかなり大まかなもので、もう一歩踏み込んだ振り幅の広さが見られるかなと思っていただけに、腹六分目くらいで終わってしまうボリューム感が少し寂しい。まあその辺は制作上の都合がアレしてるのかもしれませんがね。

Rating: 6.3/10



【4/13リリース!】cali≠gariミニアルバム『憧憬、睡蓮と向日葵』ティーザー